Evolton

東北大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

行列A=(cos⁡2θ−sin⁡θcos⁡θsin⁡θcos⁡θcos⁡2θ) (0<θ<π2)
の表す1次変換をfとする.
円C:(x−2)2+y2=43のfによる像をC1とする.

(1) 曲線C1は円であることを示し,その中心の座標と半径を求めよ.

(2) 2円CとC1が外接するようにθを定めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12分

行列、図形と方程式 回転・拡大、座標設定、円の性質

方針

行列 A を cos⁡θ 倍と角 θ の回転の積として読む。円は相似変換で円へ移り、中心と半径はそれぞれ変換像と倍率から決まる。外接条件は2中心間距離が半径の和に等しいことを使う。

解答

(1) c=cos⁡θ, s=sin⁡θ とおくとA=c(c−ssc).右側の行列は角 θ の回転を表し、全体はその後に c 倍する相似変換である。したがって円 C の像 C1 も円である。

C の中心は I=(2,0)、半径は 2/3 だから、像の中心はI1=A(20)=(2c22sc),半径はr1=2c3である。

(2) 2中心間の距離を d とするとd2=(2c2−2)2+(2sc)2=4(1−c2)=4s2.0<θ<π/2 より d=2s である。外接条件は2s=23+2c3,すなわち3sin⁡θ=1+cos⁡θ.(1)半角公式を用いると23sin⁡θ2cos⁡θ2=2cos⁡2θ2.cos⁡(θ/2)>0 だからtan⁡θ2=13.範囲条件よりθ=π3.

別解

解法2:像の円の方程式を直接求める

方針

出力座標を (X,Y) とし、変換が長さを cos⁡θ 倍することを内積計算で確かめる。中心の像からの距離を使って C1 の方程式を直接書き、外接条件を解く。

解答

(1) 任意のベクトル u に対して∣Au∣2=cos⁡2θ ∣u∣2が成り立つ。よって中心 I=(2,0) から半径 2/3 の円上の点は、変換後に AI から距離2cos⁡θ3の点へ移る。したがって C1 の方程式は(X−2cos⁡2θ)2+(Y−2sin⁡θcos⁡θ)2=4cos⁡2θ3.中心は(2cos⁡2θ,2sin⁡θcos⁡θ)で、半径は 2cos⁡θ/3 である。

(2) 元の中心 (2,0) と像の中心との距離は(2cos⁡2θ−2)2+(2sin⁡θcos⁡θ)2=2sin⁡θ.外接するため2sin⁡θ=23(1+cos⁡θ).1+cos⁡θ>0 なのでsin⁡θ1+cos⁡θ=tan⁡θ2=13.したがってθ=π3.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。問題が明示的に行列の表す1次変換を扱っているため、この大問では行列を用いるのが自然である。A=cos⁡θ 倍と回転の合成だと読めれば、像が円であること、中心、半径が同時に分かる。外接では中心間距離を半径の和と等置し、内接条件と混同しないこと。目安時間は12分。

東北大学 理系数学 前期 過去問10年 2017–2026年度問題編68ページ・解答編133ページ 1,980円税込購入する

冊子PDFで見る東北大の行列の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1989年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。