方針
行列 A を cosθ 倍と角 θ の回転の積として読む。円は相似変換で円へ移り、中心と半径はそれぞれ変換像と倍率から決まる。外接条件は2中心間距離が半径の和に等しいことを使う。
解答
(1) c=cosθ, s=sinθ とおくとA=c(cs−sc).右側の行列は角 θ の回転を表し、全体はその後に c 倍する相似変換である。したがって円 C の像 C1 も円である。
C の中心は I=(2,0)、半径は 2/3 だから、像の中心はI1=A(20)=(2c22sc),半径はr1=32cである。
(2) 2中心間の距離を d とするとd2=(2c2−2)2+(2sc)2=4(1−c2)=4s2.0<θ<π/2 より d=2s である。外接条件は2s=32+32c,すなわち3sinθ=1+cosθ.(1)半角公式を用いると23sin2θcos2θ=2cos22θ.cos(θ/2)>0 だからtan2θ=31.範囲条件よりθ=3π.
別解
解法2:像の円の方程式を直接求める
方針
出力座標を (X,Y) とし、変換が長さを cosθ 倍することを内積計算で確かめる。中心の像からの距離を使って C1 の方程式を直接書き、外接条件を解く。
解答
(1) 任意のベクトル u に対して∣Au∣2=cos2θ∣u∣2が成り立つ。よって中心 I=(2,0) から半径 2/3 の円上の点は、変換後に AI から距離32cosθの点へ移る。したがって C1 の方程式は(X−2cos2θ)2+(Y−2sinθcosθ)2=34cos2θ.中心は(2cos2θ,2sinθcosθ)で、半径は 2cosθ/3 である。
(2) 元の中心 (2,0) と像の中心との距離は(2cos2θ−2)2+(2sinθcosθ)2=2sinθ.外接するため2sinθ=32(1+cosθ).1+cosθ>0 なので1+cosθsinθ=tan2θ=31.したがってθ=3π.
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。問題が明示的に行列の表す1次変換を扱っているため、この大問では行列を用いるのが自然である。A=cosθ 倍と回転の合成だと読めれば、像が円であること、中心、半径が同時に分かる。外接では中心間距離を半径の和と等置し、内接条件と混同しないこと。目安時間は12分。
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出典: 東北大学 1989年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。