方針
共通接線を、まず y=ex の接線として x=u で表す。その直線が y=ax2 にも接する条件は、2次方程式が重解をもつことに等しい。これにより a=4(u−1)eu が得られるので、u<1 と u>1 に分けてこの関数の値域と単調性を調べる。a の符号と 4e2 を境に本数を分類する。
解答
y=ex の x=u における接線は y=eu(x−u)+eu=eux+eu(1−u) である。この直線が y=ax2 にも接するとする。交点を調べると ax2=eux+eu(1−u) すなわち ax2−eux−eu(1−u)=0 である。接するためには、この2次方程式が重解をもてばよい。判別式を0として e2u+4aeu(1−u)=0 を得る。したがって a=4(u−1)eu である。右辺を ϕ(u)=4(u−1)eu(u=1) とおく。
まず u<1 では ϕ(u)<0 である。また ϕ′(u)=4(u−1)2(u−2)eu なので、u<1 では ϕ′(u)<0 である。さらに u→−∞limϕ(u)=0,u→1−limϕ(u)=−∞ である。よって a<0 のときは、対応する u<1 がただ1つ存在し、共通接線は1本である。
次に u>1 では ϕ(u)>0 である。導関数の符号から、ϕ(u) は 1<u<2 で減少し、u>2 で増加する。最小値は u=2 のときで ϕ(2)=4e2 である。また u→1+ と u→∞ で ϕ(u)→∞ となる。
したがって共通接線の本数は⎩⎨⎧1本0本1本2本(a<0),(0<a<4e2),(a=4e2),(a>4e2)である。
別解
解法2:接線の傾きを変数にする
方針
共通接線を y=mx+n と置く。指数曲線に接するため m>0 で、接点は x=logm、切片は m(1−logm) となる。放物線に接する条件は ax2−mx−n=0 の判別式が0であること。この二条件から a=m/{4(logm−1)} を得て、m<e と m>e の各枝の値域を調べる。
解答
共通接線を y=mx+n とする。これが y=ex に接するなら、接点を x=u としてm=eu>0,n=eu(1−u)=m(1−logm).一方、y=ax2 と接する条件はax2−mx−n=0が重解をもつことだからm2+4an=0.切片 n を代入するとa=4(logm−1)m(m>0, m\neqqe).ψ(m)=4(logm−1)mとおく。0<m<e では ψ(m)<0 であり、ψ′(m)=4(logm−1)2logm−2<0.また m→0+ で ψ(m)→0−、m→e− で ψ(m)→−∞ だから、a<0 では1本である。
m>e では正で、e<m<e2 で減少、m>e2 で増加する。最小値はψ(e2)=4e2.したがって本数は⎩⎨⎧1012(a<0),(0<a<e2/4),(a=e2/4),(a>e2/4)である。傾き m が異なれば接線も異なるので、この解の個数がそのまま本数になる。
総評
難度7、計算量5、目安時間20分。共通接線を曲線上の接点で表すか、傾き m で表すかの選択が中心である。どちらも一変数関数の値域へ帰着し、負の枝は全て1本、正の枝は最小値 e2/4 を境に0・1・2本となる。分母が0になる接点を除き、極限と単調性を両側で書くことが完全答案の条件である。
冊子PDFで見る東北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。