方針
まず y=2nlog∣nx+1∣ と見て、定義域、縦の漸近線、零点を押さえて概形を描く。(2)は左側の枝で u=−nx−1 と置換し、面積を U=−np−1 で表す。(3)は接線が原点を通る条件を、接点の座標と傾きから式にし、そこで得た logU=1+U1 を面積式へ代入する。
解答
(1) y=log(nx+1)2n=2nlog∣nx+1∣ である。したがって定義域は x=−n1 であり、直線 x=−n1 は縦の漸近線である。また y=0 となるのは ∣nx+1∣=1 のときで、x=0,x=−n2 である。さらに y′=nx+12n2 なので、x<−n1 では減少し、x>−n1 では増加する。以上より、2つの枝は漸近線 x=−n1 の両側で下に落ち込み、左の枝は (−n2,0) を通って左へ上がり、右の枝は (0,0) を通って右へ上がる。
(2) p<−n2 とする。この範囲では nx+1<−1 であり、曲線は x 軸の上にある。そこで U=−np−1 とおくと U>1 である。置換 u=−nx−1 を用いると、x=p のとき u=U、x=−n2 のとき u=1、また dx=−n1du である。したがって面積 S はS=∫p−2/n2nlog(−nx−1)dx=2∫1Uloguduである。よって S=2[ulogu−u]1U=2(UlogU−U+1) である。すなわち S=2{(−np−1)log(−np−1)+np+2} である。
(3)
左側の枝上の接点の x 座標を p とし、(2)と同じく U=−np−1 とおく。接点の y 座標は 2nlogU であり、接線の傾きは np+12n2=−U2n2 である。接線が原点を通るので、接点における y 座標は「傾き × p」に等しい。したがって 2nlogU=p(−U2n2) である。ここで p=−nU+1 だから 2nlogU=2n(1+U1) となり、logU=1+U1 を得る。
これを(2)の面積式に代入すると S=2{U(1+U1)−U+1}=4 である。
別解
解法2:左枝を共通変数に移して面積と接線を統一する
方針
左枝では u=−nx−1>0 と置くと、曲線は y=2nlogu になる。面積と接線条件を同じ u で表し、接線条件を面積式へ代入する。
解答
(1) y=2nlog∣nx+1∣だから、定義域は x=−1/n、漸近線は x=−1/n である。x 軸との交点はx=−n2,x=0.またy′=nx+12n2なので、左枝は減少、右枝は増加する。
(2) U=−np−1>1とおく。左枝で u=−nx−1 と置けばdx=−n1du.したがってS=∫p−2/n2nlog(−nx−1)dx=2∫1Ulogudu=2(UlogU−U+1).すなわちS=2{(−np−1)log(−np−1)+np+2}.(3)
接点では U=−np−1 であり、y=2nlogU,y′=−U2n2,p=−nU+1.接線が原点を通る条件 y=py′ からlogU=1+U1.よってS=2{U(1+U1)−U+1}=4.
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中6。対数の中身が偶数乗になっているため、2nlog∣nx+1∣ と絶対値つきで見るのが第一歩である。(2)は置換後の端点の向き、(3)は接線が原点を通る条件の符号でミスが出やすい。試験場では20分程度で、U=−np−1 を導入して式を短く保つのが有効である。
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出典: 東北大学 1990年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。