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東北大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

0<a<π2とし,
fa(x)を次の式で定義する.fa(x)={2a−∣x∣2a2(∣x∣≦2a)0(2a<∣x∣≦π)極限値lim⁡a→0∫−ππfa(x)∣cos⁡ax∣dxを求めよ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安14分

積分、三角関数 はさみうち、定積分評価

方針

fa(x) は ∣x∣≦2a の小さい区間でだけ正なので、積分範囲をそこに絞る。この区間では ∣ax∣≦2a2 となり、a→0 で ∣cos⁡ax∣ は一様に1へ近づく。残る fa の積分値を直接計算すると2なので、はさみうちで極限を求める。

解答

fa(x) は ∣x∣≦2a でだけ正であり、それ以外では0である。したがって∫−ππfa(x)∣cos⁡ax∣ dx=∫−2a2a2a−∣x∣2a2∣cos⁡ax∣ dxである。

この積分区間では ∣x∣≦2a だから ∣ax∣≦2a2 である。a→0 のとき 2a2→0 なので、この区間全体で ∣cos⁡ax∣ は1に近づく。十分小さい a では 2a2<π/2 である。このとき、十分小さい a では 2a2<π/2 である。このとき、具体的には cos⁡(2a2)≦∣cos⁡ax∣≦1 が成り立つ。

また、重みの部分の積分は∫−2a2a2a−∣x∣2a2 dx=2∫02a2a−x2a2 dx=1a2[2ax−x22]02a=2.である。したがって2cos⁡(2a2)≦∫−ππfa(x)∣cos⁡ax∣ dx≦2である。両端は a→0 でともに2に近づくから、はさみうちによりlim⁡a→0∫−ππfa(x)∣cos⁡ax∣ dx=2である。

別解

解法2:台を固定区間へ拡大して誤差を評価する

方針

変数変換 x=2au により、縮んでいく台 [−2a,2a] を固定区間 [−1,1] へ移す。積分は三角形の重み 2(1−∣u∣) と ∣cos⁡(2a2u)∣ の積になる。小さい a では余弦が正なので絶対値を外し、0≦1−cos⁡t≦t2/2 を用いて極限値2との差を直接0へ挟む。

解答

積分の台だけを残し、x=2au と変数変換するとIa=∫−2a2a2a−∣x∣2a2∣cos⁡ax∣ dx=2∫−11(1−∣u∣)∣cos⁡(2a2u)∣ du.十分小さい a>0 では ∣2a2u∣<π/2 なので余弦は正である。

まず余弦を1に置き換えた積分は2∫−11(1−∣u∣) du=2.また、全ての実数 t で0≦1−cos⁡t≦t22が成り立つから0≦2−Ia=2∫−11(1−∣u∣){1−cos⁡(2a2u)} du≦4a4∫−11(1−∣u∣)u2 du=23a4.右端は a→0 で0に近づく。したがってlim⁡a→0Ia=2である。

総評

難度6、計算量4、目安時間14分。積分区間全体ではなく、重みが正の [−2a,2a] だけを見ることが出発点である。その上では ∣ax∣≦2a2 なので余弦を一様に1へ挟める。直接のはさみうちと、固定区間への変数変換後の誤差評価で極限2を確認した。重みの面積が2であり、1ではない点が典型的な失点箇所である。

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出典: 東北大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。