Evolton

東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

xy平面に,曲線K:(x−c)2a2+3y2c2−a2=1 (0<a<c)がある.
行列A=(cos⁡θ−sin⁡θsin⁡θcos⁡θ)の表す1次変換によって,
曲線Kが図形K′に移されるとする.
このとき,K′⊂{(x, y)∣x<0, x+y<0}となるようにθの範囲を定めよ.
ただし,0∘≦θ<360∘とする.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30分

図形と方程式、三角関数 回転・拡大、範囲評価、図形的解釈

方針

楕円 K を中心 (c,0)、横半径 a、縦半径 b=(c2−a2)/3 として表す。回転後の図形が半平面 x<0 に入る条件は、回転前の点に対する線形式 x′ の最大値が0未満であること。同様に x′+y′ の最大値が0未満であることを調べる。楕円上での線形式の最大値を平方完成で求め、2つの角度範囲を交差させる。

解答

(1)

楕円 K 上の点は (x,y)=(c+acos⁡u,bsin⁡u),b2=c2−a23 と表せる。回転後の座標を (X,Y) とすると X=xcos⁡θ−ysin⁡θ Y=xsin⁡θ+ycos⁡θ である。

まず、すべての点で X<0 となる条件を求める。楕円上での X の最大値は ccos⁡θ+a2cos⁡2θ+b2sin⁡2θ である。したがって必要十分条件は ccos⁡θ+a2cos⁡2θ+b2sin⁡2θ<0 である。平方根は0以上なので、まず cos⁡θ<0 が必要である。このもとで両辺を移して2乗すると c2cos⁡2θ>a2cos⁡2θ+b2sin⁡2θ である。b2=(c2−a2)/3 を代入して、c2−a2>0 で割ると cos⁡2θ>13sin⁡2θ となる。よって 150∘<θ<210∘ である。

次に、すべての点で X+Y<0 となる条件を求める。 X+Y=(cos⁡θ+sin⁡θ)x+(cos⁡θ−sin⁡θ)y であるから、楕円上での最大値はc(cos⁡θ+sin⁡θ)+a2(cos⁡θ+sin⁡θ)2+b2(cos⁡θ−sin⁡θ)2である。これが0未満になるためには、まず cos⁡θ+sin⁡θ<0 が必要である。そのもとで同様に2乗すると (c2−a2)(cos⁡θ+sin⁡θ)2>b2(cos⁡θ−sin⁡θ)2 であり、b2=(c2−a2)/3 より (cos⁡θ+sin⁡θ)2>13(cos⁡θ−sin⁡θ)2 となる。 cos⁡θ+sin⁡θ=2cos⁡(θ−45∘)、cos⁡θ−sin⁡θ=−2sin⁡(θ−45∘) を用いると、この条件は cos⁡(θ−45∘)<0,∣tan⁡(θ−45∘)∣<3 である。したがって 165∘<θ<285∘ である。

2つの条件を同時に満たす範囲は (150∘,210∘)∩(165∘,285∘) である。よって求める範囲は 165∘<θ<210∘ である。端点では楕円が境界直線に接するため、条件の <0 を満たさない。

【回転楕円と2つの開半平面】

別解

解法2

方針

回転後の2つの半平面を回転前へ戻し、楕円の中心から各境界直線までの余裕と、その法線方向の半径を比較する。2条件の角度区間を幾何的に交差させる。

解答

回転後の条件 X<0 を回転前へ戻すとxcos⁡θ−ysin⁡θ<0である。楕円の中心 (c,0) の左辺は ccos⁡θ、その法線方向の
半径はa2cos⁡2θ+b2sin⁡2θ,b2=c2−a23.中心値に半径を加えても負である条件を整理すると150∘<θ<210∘.同様に X+Y<0 を回転前へ戻すと、法線方向は(cos⁡θ+sin⁡θ, cos⁡θ−sin⁡θ)である。中心値とその方向の半径を比較し、同じく平方して整理すると165∘<θ<285∘.したがって2つの開半平面へ楕円全体が入るための必要十分条件は165∘<θ<210∘.端点では楕円が境界線へ接するので含まれない。

総評

回転した楕円全体を2つの半平面に入れる条件を調べる問題。目安時間は30分前後。個々の点を追うのではなく、楕円上で線形式が取り得る最大値を調べるのが要点である。x<0 から 150∘<θ<210∘、x+y<0 から 165∘<θ<285∘ が出るため、最終的な共通範囲は 165∘<θ<210∘ である。端点は境界に触れるので含めない。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。

東北大学 理系数学 後期 過去問10年 2017–2026年度問題編69ページ・解答編131ページ 1,980円税込購入する

冊子PDFで見る東北大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。