方針
漸化式の右辺にも an+1 が含まれているので、まず an+1 について解く。その後、指定された bn=an/(2−an) に代入すると、分母の形がそろって等比数列になる。bn を求めたら、an=2bn/(1+bn) に戻し、bn→∞ から極限を出す。
解答
(1)
与えられた漸化式はan+1={1+3(1−2an+1)}anである。右辺を展開して an+1 を左辺へ集めると an+1=(1+3)an−23anan+1 だから an+1(1+23an)=(1+3)an である。よってan+1=1+23an(1+3)an=2+6an2(1+3)anである。
ここで bn=2−anan とおく。すると2−an+1=2−2+6an2(1+3)an=2+6an22+23an−2an−23an=2+6an2(2−an)である。したがってbn+1=2−an+1an+1=2+6an2(2−an)2+6an2(1+3)an=(1+3)2−ananである。よって bn+1=(1+3)bn である。
(2) b1=2−a1a1=2−11=1+2 である。(1)より bn は公比 1+3 の等比数列だから bn=(1+2)(1+3)n−1 である。
また bn=an/(2−an) から bn(2−an)=an すなわち an=1+bn2bn である。したがってan=1+(1+2)(1+3)n−12(1+2)(1+3)n−1である。
(3) 1+3>1 なので bn=(1+2)(1+3)n−1→∞ である。したがって an=1+bn2bn→2 であり、求める極限値は 2 である。
別解
解法2
方針
指定の bn を使わず、まず逆数 un=1/an の一次漸化式へ変換する。不動点からの差を等比数列にする。
解答
(1)
与式を an+1 について解くとan+1=1+3/2an(1+3)an.ここで un=1/an とおけばun+1=1+3un+1+33/2.この一次変換の不動点は 1/2 なのでun+1−21=1+31(un−21).u1=1 からun=21+(1−21)(1+3)−(n−1).(2)
逆数を取って整理するとan=1+(1+2)(1+3)n−12(1+2)(1+3)n−1.またbn=2−ananへこの式を代入すればbn=(1+2)(1+3)n−1,bn+1=(1+3)bn.(3)
最後に un→1/2 だからn→∞liman=2.
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安は23分。漸化式に an+1 が両辺に出てくるため、最初にこれを解き忘れると以後の変形ができない。指定された bn は、2−an+1 の分母がうまく消えるように作られている。bn>0 から an=2bn/(1+bn)<2 も分かるので、分母 2−an が途中で0にならないことの確認にもなっている。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
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出典: 東北大学 2000年度 後期日程 数学 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。