Evolton

東北大学 2002年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

水平な地面に垂直に塔が建っている.
目の高さ1.5mの人が地面のある地点Aに立って塔の頂上を見上げると,
仰角(視線が水平面となす角)がθであった.ただし,θ>0とする.
この人が塔に向かって160m近づいて見上げると,仰角が2θになった.
さらに100m近づいて見上げると,仰角が4θになった.
以下の問いに答えよ.

(1) cosθの値を求めよ.

(2) 塔の高さを求めよ.

(3) 同じ人が地点Aから塔に向かって何m近づくと,
塔の頂上を見上げる仰角が3θになるか.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

三角関数図形と方程式 三角比の利用文字消去、計算整理

方針

目の高さを除いた塔の高さを H、地点Aから塔までの水平距離を xu=tanθ とおく。3地点での正接を H/xH/(x160)H/(x260) と表し、距離差の比から u を決める。u が決まれば、H、塔の実際の高さ、3θ になる地点までの距離を順に求める。

解答

目の高さ1.5mを除いた、目の位置から塔の頂上までの高さを H m とする。また、地点Aから塔までの水平距離を x m とし、u=tanθ とおく。

条件よりHx=u,Hx160=tan2θ,Hx260=tan4θである。したがってH(1u1tan2θ)=160,H(1u1tan4θ)=260である。よって1u1tan4θ1u1tan2θ=260160=138である。

倍角公式 tan2θ=2u1u2 を用いると1u1tan2θ=1u1u22u=1+u22uである。さらに tan4θ も同様に代入して整理すると 9u21=0 を得る。u>0 だから tanθ=13 である。

(1) cosθ=11+tan2θ=11+1/9=31010である。

(2) u=1/3 より tan2θ=2/311/9=34 である。したがって H(343)=160 となり、H53=160 から H=96 である。塔の高さは目の高さ1.5mを足して 96+1.5=1952 m である。

(3)
地点Aから塔までの距離は x=Hu=288 である。また tan3θ=3uu313u2=11/2711/3=139 である。仰角が 3θ となる地点から塔までの距離は Htan3θ=9613/9=86413 である。したがって、地点Aから近づく距離は 28886413=288013 m である。

3地点から塔頂を見る

別解

解法2

方針

塔頂と目の高低差を H、各地点から塔までの距離を Hcotθ,Hcot2θ,Hcot4θ と書く。距離差160m,100mの比だけで tanθ を決める。

解答

(1)
u=tanθ>0 と置く。3地点の水平距離はHcotθ,Hcot2θ,Hcot4θ.したがってcotθcot4θcotθcot2θ=260160=138.cot2θ=1u22u,cot4θ=16u2+u44u(1u2)を代入して整理すると 9u2=1。よって u=1/3 である。cosθ=11+u2=31010.(2)
tan2θ=3/4 なのでH(343)=160,H=96.塔高は 96+1.5=195/2 m である。

(3)
tan3θ=13/9、地点Aから塔まで288mだから、近づく距離は2889613/9=288013 m.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安時間は22分。採点ポイントは、目の高さを除いた高さ H を置くこと、3地点の正接を距離と高さで表し、160mと260mの距離差から式を立てること、tanθ=1/3 を得た後に高さへ戻すことである。誤りやすいのは、塔の高さに最後の1.5mを足し忘れること、また3回目の移動距離を100mではなくAからの距離として求める点を読み違えることである。

冊子PDFで見る東北大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2002年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。