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東北大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

数直線上を動く点Pがある.
裏表の出る確率が等しい硬貨を2枚投げて,
2枚とも表が出たらPは正の向きに1だけ移動し,2枚とも裏が出たらPは負の向きに1だけ移動し,
それ以外のときはその位置にとどまるものとする.
Pが原点Oを出発点として,このような試行をn回繰り返して到着した位置をSnとする.
以下の問いに答えよ.

(1)
S2=1となる確率を求めよ.

(2)
S3=1となる確率を求めよ.

(3)
試行をn回繰り返して出た表の総数をiとするとき,Snを求めよ.

(4)
kを整数とするとき,Sn=kとなる確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

確率 数え上げ置換、場合分け

方針

1回の試行を「2枚の硬貨を投げたときの表の枚数」で表す。2枚の表の枚数が0,1,2なら移動量はそれぞれ 1,0,1 であり,これは「表の枚数から1を引く」ことに等しい。したがって n 回全体では,合計 2n 枚分の表の総数だけで Sn が決まる。

解答

1回の試行で出た表の枚数を考える。2枚とも表なら表の枚数は2で,移動量は +1 である。2枚とも裏なら表の枚数は0で,移動量は 1 である。それ以外なら表の枚数は1で,移動量は0である。

つまり,1回の試行における移動量は (その試行で出た表の枚数)1 である。

(1)
2回の試行では,合計4枚の硬貨を投げたと考えられる。S2=1 となるには,総移動量が 1 であればよい。表の総数を i とすると,後で示すように S2=i2 であるから,S2=1i=1 と同値である。

4枚のうち表が1枚である確率は 4C124=416=14 である。

(2)
3回の試行では,合計6枚の硬貨を投げたと考えられる。S3=1 となるには i3=1 すなわち i=4 であればよい。よって 6C426=1564 である。したがって 1564 である。

(3)
n 回の試行で出た表の総数を i とする。各試行の移動量は「その試行で出た表の枚数 1」であるから,n 回の移動量の合計は i111n 個=in である。したがって Sn=in である。

(4)
Sn=k となるには,(3) より in=k すなわち i=n+k であればよい。n 回の試行は合計 2n 枚の硬貨を投げることと同じなので,表の総数が n+k となる確率は 2nCn+k22n である。

ただし,表の枚数は 0 以上 2n 以下でなければならない。したがって 0n+k2n すなわち nkn のときだけ可能である。よってP(Sn=k)={2nCn+k22n(nkn),0(k<n または n<k)である。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は18分程度で、個々の試行を細かく場合分けするより、全体の表の総数に変換できるかが要点である。移動量が「表の枚数 1」になることを明示すれば、(1)(2) は二項分布の具体例、(4) はその一般形として一気に整理できる。最後は n+k が表の枚数として許される範囲にあるかを必ず確認する。

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出典: 東北大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。