方針
1回の試行を「2枚の硬貨を投げたときの表の枚数」で表す。2枚の表の枚数が0,1,2なら移動量はそれぞれ であり,これは「表の枚数から1を引く」ことに等しい。したがって 回全体では,合計 枚分の表の総数だけで が決まる。
解答
1回の試行で出た表の枚数を考える。2枚とも表なら表の枚数は2で,移動量は である。2枚とも裏なら表の枚数は0で,移動量は である。それ以外なら表の枚数は1で,移動量は0である。
つまり,1回の試行における移動量は である。
(1)
2回の試行では,合計4枚の硬貨を投げたと考えられる。 となるには,総移動量が であればよい。表の総数を とすると,後で示すように であるから, は と同値である。
4枚のうち表が1枚である確率は である。
(2)
3回の試行では,合計6枚の硬貨を投げたと考えられる。 となるには すなわち であればよい。よって である。したがって である。
(3)
回の試行で出た表の総数を とする。各試行の移動量は「その試行で出た表の枚数 」であるから, 回の移動量の合計は である。したがって である。
(4)
となるには,(3) より すなわち であればよい。 回の試行は合計 枚の硬貨を投げることと同じなので,表の総数が となる確率は である。
ただし,表の枚数は 以上 以下でなければならない。したがって すなわち のときだけ可能である。よってである。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は18分程度で、個々の試行を細かく場合分けするより、全体の表の総数に変換できるかが要点である。移動量が「表の枚数 」になることを明示すれば、(1)(2) は二項分布の具体例、(4) はその一般形として一気に整理できる。最後は が表の枚数として許される範囲にあるかを必ず確認する。