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東北大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

不等式1x2+y24が表すxy平面内の領域をDとする。
Pを円x2+y2=1上の点,QRを円x2+y2=4上の異なる2点とし,
三角形PQRは領域Dに含まれているとする。
abを実数とし,行列A=(abba)の表す1次変換により
PPQQRRに移されるとする。
このとき,三角形PQRが領域Dに含まれるためのabの必要十分条件を求めよ。
ただし,三角形は内部も含めて考えるものとする。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

行列図形と方程式 回転・拡大必要十分条件図形的解釈

方針

行列 A は、複素数でいえば a+bi を掛ける変換と同じで、原点からの距離を r=a2+b2 倍し、角度を回転させる。領域 D は原点中心の半径1以上2以下の環状領域である。三角形全体が D に含まれるには、特に半径1上の頂点 P の像が内側の円より外にあり、半径2上の頂点 Q,R の像が外側の円より内にある必要がある。これにより r1r1 が同時に必要になる。逆に r=1 なら回転なので領域 D をそのまま保つ。

解答

必要条件

行列A=(abba)によって点 (x,y)(x,y)=(axby, bx+ay) に移る。したがってx2+y2=(axby)2+(bx+ay)2=(a2+b2)(x2+y2)である。つまり原点からの距離は a2+b2 倍される。

ここで、P は円 x2+y2=1 上にあるので OP=1 である。変換後の三角形 PQR が領域 D に含まれるなら、特に頂点 PD に含まれる。したがって OP1 でなければならない。ところが OP=a2+b2 なので a2+b21 が必要である。

一方、Q,R は円 x2+y2=4 上にあるので OQ=OR=2 である。同じく Q,RD に含まれるためには、外側の円の内側にある必要があるから OQ2 でなければならない。ここで OQ=2a2+b2 なので 2a2+b22 すなわち a2+b21 が必要である。

以上より a2+b21,a2+b21 であるから a2+b2=1 が必要である。

十分性

逆に a2+b2=1 とする。このとき任意の点について x2+y2=x2+y2 であるから、変換は原点からの距離を保つ。さらに行列の形から、これは原点中心の回転を表す。したがって領域 D:1x2+y24 はこの変換でそのまま D に移る。

もとの三角形 PQR は内部も含めて D に含まれている。回転は線分を線分に移し、三角形の内部も対応する三角形の内部に移すので、変換後の三角形 PQRD に含まれる。

したがって必要十分条件は a2+b2=1 である。

総評

難度5、計算量4。目安時間は18分。行列の形から「回転と拡大」を読み取る問題である。頂点だけを見ればよいわけではないが、必要条件を出す段階では半径1上の点 P と半径2上の点 Q を調べるだけで r=1 が強制される。十分性では、a2+b2=1 のとき距離を保つ回転であり、環状領域 D と三角形の内部がそのまま移ることを説明する。必要条件と十分条件の両方を書くのが採点上重要である。 別解監査では、複素数の乗法として解釈する方法も、距離が a2+b2 倍される同じ事実に基づくため独立解法として数えていない。

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出典: 東北大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。