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東北大学 2016年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

平面上の点Oを中心とする半径1の円周上に相異なるn個の点A1, ⋯ , Anがあって,
各j (j=1, ⋯ , n)に対してOAj→=OAk→+OAl→を満たすk,lが存在するとする。
このときnは6の倍数であることを示せ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安28分

ベクトル、論証・証明 図形的解釈、回転・拡大、一般化

方針

各点を原点からの単位ベクトルとして見る。u⃗=v⃗+w⃗で3本すべてが単位ベクトルなら,∣v⃗+w⃗∣=1からv⃗とw⃗のなす角が120∘と分かる。このときv⃗,w⃗はu⃗を中心に左右60∘回転した方向である。したがって与えられた点集合は60∘回転で閉じており,円周上の各軌道が6点からなるため,点の総数は6の倍数になる。

解答

点Ajに対応する単位ベクトルを u⃗=OAj→ とする。仮定より,あるk,lが存在して u⃗=OAk→+OAl→ である。ここで v⃗=OAk→,w⃗=OAl→ とおくと,u⃗,v⃗,w⃗はいずれも長さ1のベクトルであり u⃗=v⃗+w⃗ を満たす。

両辺の長さの2乗を取ると1=∣u⃗∣2=∣v⃗+w⃗∣2=∣v⃗∣2+∣w⃗∣2+2v⃗⋅w⃗=2+2v⃗⋅w⃗である。したがって v⃗⋅w⃗=−12 であり,v⃗とw⃗のなす角は120∘である。

2つの単位ベクトルの和v⃗+w⃗は,v⃗とw⃗の角の二等分線方向を向く。なす角が120∘なので,v⃗とw⃗はu⃗の方向からそれぞれ60∘ずれた方向にある。つまり,u⃗を中心Oのまわりに60∘回転したベクトルと,−60∘回転したベクトルが,どちらも与えられた点集合に含まれる。

以上は任意のjについて成り立つ。したがって,点集合は中心Oの60∘回転で閉じている。

円周上の1点を60∘ずつ回転すると,元の点に戻るまでに 6 個の相異なる点が現れる。途中で戻ることは,60∘,120∘,180∘,240∘,300∘の回転で同じ点になることを意味するが,半径1の円周上では起こらない。よって点集合は6個ずつの組に分かれる。

したがって点の総数nは6の倍数である。

別解

解法2

方針

円周上の各点を絶対値1の複素数とみなす。z=u+vをzで割り,U=u/zに対して∣U∣=∣1−U∣=1を使うと,Uの実部が1/2と決まる。したがってu,vはzを±60∘回転した点であり,集合を6点の回転軌道に分解できる。

解答

各点の複素数表示の集合をZとする。すべてのz∈Zについて∣z∣=1であり,仮定から,あるu,v∈Zが存在してz=u+vとなる。z≠0なのでU=uz,V=vzとおけばU+V=1,∣U∣=∣V∣=1である。V=1−Uより1=∣1−U∣2=1−2ReU+∣U∣2=2−2ReU.したがってReU=12.∣U∣=1だからU=12±32i.またV=1−Uなので,U,Vはこの2数を1つずつ取る。ω=12+32iとおくと,u,vはzω,zω‾である。したがって任意のz∈Zに対してzω∈Z,すなわち集合Zは60∘回転で閉じている。

1点zからz,zω,zω2,…,zω5という6個の相異なる点が得られ,ω6=1で元へ戻る。よってZは互いに交わらない6点の軌道に分かれるから,点の総数nは6の倍数である。

総評

難度7,計算量5。目安時間は28分。「単位ベクトル2本の和が単位ベクトル」という条件から,2本のなす角120∘,和の方向との差60∘を出すことが核心である。ベクトル解法でも複素数解法でも,任意の点を±60∘回転した点が集合内にあることを明示する。その後,1つの回転軌道が途中で重ならず6点からなると確認して初めて,総数が6の倍数だと結論できる。

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出典: 東北大学 2016年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。