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東京大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

aは1より大きい定数とし,xy平面上の点(a,0)A,点(a,loga)B,曲線y=logxx軸の交点をCとする。
さらにx軸,線分BAおよび曲線y=logxで囲まれた部分の面積をS1とする。

(1) 1baとなるbに対し点(b,logb)Dとする。四辺形ABCDの面積がS1にもっとも近くなるようなbの値と,そのときの四辺形ABCDの面積S2を求めよ。

(2) aのときのS2S1の極限値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

積分指数・対数微分 面積計算微分による最大最小極限計算、計算整理

方針

まず S1=1alogxdx を求める。四辺形 ABCD は,C(1,0)D(b,logb)B(a,loga)A(a,0) を結んだ図形なので,面積 S2(b) は2つの台形の和で表せる。logx のグラフでは弦が曲線の下側にあるため,S2(b)S1 であり,S1 に最も近づけることは S2(b) を最大にすることと同じである。微分で最適な b を求め,最後は aloga を基準にして比の極限を調べる。

解答

(1)
曲線 y=logxx 軸の交点は C=(1,0) である。したがって S1=1alogxdx=[xlogxx]1a=alogaa+1 である。

次に四辺形 ABCD の面積を求める。C(1,0) から D(b,logb)B(a,loga)A(a,0) と進むので,面積は2つの台形の和として S2(b)=12(b1)logb+12(ab)(loga+logb) である。整理すると S2(b)=12{(ab)loga+(a1)logb} である。 y=logx は上に凸の曲線であるから,曲線上の2点を結ぶ線分は曲線の下側にある。したがって S2(b)S1 であり,S1 に最も近い S2(b) は,S2(b) が最大となるときに得られる。

微分すると S2(b)=12(loga+a1b) である。したがって臨界点は b=a1loga である。また a>1 について a1alogaa1 が成り立つので 1a1logaa であり,この値は許された範囲に入る。さらに S2(b) はこの点の前で正,後で負となるので,ここで最大である。

よって求める bb=a1loga であり,そのときS2=12{aloga(a1)+(a1)loga1loga}である。

(2)
上で求めた式からS2S1=12{aloga(a1)+(a1)loga1loga}alogaa+1である。分母は aloga と同じ大きさで増大する。

分子の中で (a1)loga1loga=(a1){log(a1)log(loga)} である。これを aloga で割るとa1alog(a1)logaa1alog(loga)loga10=1である。また (a1)/(aloga)0 である。したがって分子全体は aloga と同じ大きさになり,limaS2S1=1 である。

総評

対数曲線下の面積を,折れ線で近似する四辺形の最大化問題である。目安時間は22分。四辺形を2つの台形に分けて S2(b) を正しく作ることが最初の山場である。S2S1 を弦と曲線の位置関係で説明しておくと,「近い」が最大化に変わる理由が明確になる。極限では細かい定数より,alogaalog(a/loga) の支配的な大きさを比較するのが要点である。

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出典: 東京大学 1992年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。