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東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

nを2以上の自然数とし,f(x)=xn+px+q (p,qは実数)の形のn次関数について
積分I=1211f(x)2dxを考える。
Iを最小にするような(p,q)が唯一組存在することを示し,
そのような(p,q)Iの最小値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

積分関数 定積分評価、微積分の対称性、場合分け、計算整理

方針

積分区間が [1,1] で対称なので,偶関数と奇関数の積の積分が0になることを利用する。n が偶数なら xn は偶関数で,調整すべき相手は定数項 q になる。n が奇数なら xn は奇関数で,調整すべき相手は一次項 px になる。それぞれ Ip,q の平方完成に直し,平方の係数が正であることから最小値とその一意性を同時に示す。

解答

まず n が偶数の場合を考える。このとき xn+q は偶関数,px は奇関数である。したがって積の項の積分は0になり,I=1211(xn+q)2dx+1211p2x2dxである。各項を計算すると1211x2ndx=12n+1,12112qxndx=2qn+1,1211q2dx=q2,1211p2x2dx=p23である。よって I=p23+q2+2qn+1+12n+1 となる。平方完成してI=p23+(q+1n+1)2+12n+11(n+1)2である。したがって最小にする組はただ一つ p=0,q=1n+1 であり,最小値は 12n+11(n+1)2 である。

次に n が奇数の場合を考える。このとき xn+px は奇関数,q は偶関数であるから,交差する項は消えてI=1211(xn+px)2dx+1211q2dxである。計算すると I=12n+1+2pn+2+p23+q2 である。これを平方完成するとI=13(p+3n+2)2+q2+12n+13(n+2)2となる。したがって最小にする組はただ一つ p=3n+2,q=0 であり,最小値は 12n+13(n+2)2 である。

別解

解法2

方針

p,q を未知数とする2次式を展開する代わりに、最小点では
定数方向と x 方向への一次変化が0になることを使う。2本の
積分条件から候補を求め、最後に差の二乗積分が正であることから
最小性と一意性を保証する。

解答

F(x)=xn+px+q とする。pp+h に変えたときの
I の一次の変化が0であること、qq+h に変えた
ときの一次の変化が0であることから、最小点は11F(x)xdx=0,11F(x)dx=0を満たす。

n が偶数なら、奇関数の積分が0になることにより2p3=0,2n+1+2q=0.したがってp=0,q=1n+1.このときImin=12n+11(n+1)2.n が奇数なら2n+2+2p3=0,2q=0,したがってp=3n+2,q=0,かつImin=12n+13(n+2)2.一意性を確認する。上で得た最小候補を (p0,q0) とし、
F0(x)=xn+p0x+q0 と置く。積分条件から11F0(x){(pp0)x+(qq0)}dx=0.よって任意の (p,q) に対してIImin=1211{(pp0)x+(qq0)}2dx0.等号が成り立つには一次式が恒等的に0でなければならず、
p=p0, q=q0 である。したがって最小の組は唯一である。

n の偶奇により、実際に働く方向が一方だけになる。

総評

難度6、計算量5、目安16〜20分。対称区間では偶関数と奇関数の積分が消えるため、n の偶奇で調整すべき係数が入れ替わる。解法1は平方完成、解法2は2本の直交条件から候補を求めた。最後に差の二乗積分を用い、単なる停留条件ではなく大域的最小性と一意性まで保証した。

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出典: 東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。