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東京大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

z>54となるどのような複素数zに対してもw=z22zとは表されない複素数w全体の集合をTとする。すなわち,T={ww=z22z ならば z54}とする。このとき,Tに属する複素数wで絶対値wが最大になるようなwの値を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

複素数平面図形と方程式 座標設定、範囲評価、図形的解釈

方針

w=z22zw+1=(z1)2 と平方完成する。u=z1 とおけば,同じ w に対応する2つの z1+u1u である。wT に入るには,この2つの逆像がともに半径 54 の円内にあることが必要十分なので,u は中心 11 の2円の共通部分を動く。u=X+Yi として,固定した X に対し u212Y2 について増加することを示し,共通部分の上端で最大化する。

解答

u=z1 とおくと w=z22z=(z1)21=u21 である。ある w に対して u2=w+1 を満たす u を1つ取ると,対応する zz=1+u,z=1u の2つである。u=0 のときは同じ値になるが,この場合も以下の条件に含まれる。

したがって,wT に属するためには,w=z22z と表すすべての zz54 を満たせばよい。これは 1+u54,1u54 と同値である。 u=X+Yi とおく。この条件は (X+1)2+Y22516,(X1)2+Y22516 である。X0=X とおくと,2つの不等式のうち厳しい方は中心から遠い側であり,Y22516(1+X0)2=9162X0X02 である。右辺が0以上でなければならないので,特に 0X014 である。

一方,w2=u212=(X2Y21)+2XYi2=(1X02+Y2)2+4X02Y2である。X0 を固定し,v=Y2 とおくと,右辺は (1X02+v)2+4X02v であり,v で微分すると 2(1X02+v)+4X02=2(1+X02+v)>0 である。したがって,固定した X0 に対して w2Y2 が最大のとき最大になる。

よって Y2=9162X0X02 を代入すればよい。このとき 1X02+Y2=25162X02X02 であるから,w2(25162X02X02)2+4X02(9162X0X02)=625256254X0625256である。したがって w2516 である。

等号が成り立つには X0=0 かつ Y2=916 であればよい。このとき u=±34i であり,実際 1+u=1u=1+916=54 を満たす。対応する ww=u21=9161=2516 である。よって,T に属する複素数のうち絶対値が最大となるものは 2516 である。

条件・検算

集合 T では同じ w を与える2つの逆像がともに円内に必要である。等号時の u=±3i4 は両方の境界条件を満たす。

別解

解法2(2円の和と三角不等式による別解)

方針

u=z1 とし、2つの逆像 1±u がともに半径 54 の円内にある条件を使う。2条件を加えて u を直接評価し、三角不等式で u21 を抑える。

解答

u=z1 とおくとw=u21.同じ w に対応する2つの逆像は z=1+u,1u であるから、
wT の必要十分条件は1+u54,1u54である。

2つの不等式を2乗して加えると1+u2+1u2=2(1+u2)2(54)2.したがってu34.ゆえに三角不等式からw=u21u2+1916+1=2516.両方の等号が成り立つにはu=34,u20であればよい。よってu=±34i.このとき 1±u=54 で条件を満たし、w=u21=2516.したがって求める w2516である。

総評

難度8、計算量7。2次写像の像を直接描くより、w+1=(z1)2 として2つの逆像 1+u1u を同時に制限するのが核心である。目安は30分程度で、1+u541u54 の両方が必要十分条件になる点を落とすと、集合 T を大きく取り過ぎてしまう。最大化では X を固定して Y2 の上限に押し上げる流れが重要で、等号条件が2円の交点 u=±3i4 に対応することまで確認したい。

問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の関係または答案の論理を確認するための独自作図であり、条件・境界・結論を本文だけでも追えるようにした。

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出典: 東京大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。