方針
を と平方完成する。 とおけば,同じ に対応する2つの は と である。 が に入るには,この2つの逆像がともに半径 の円内にあることが必要十分なので, は中心 と の2円の共通部分を動く。 として,固定した に対し が について増加することを示し,共通部分の上端で最大化する。
解答
とおくと である。ある に対して を満たす を1つ取ると,対応する は の2つである。 のときは同じ値になるが,この場合も以下の条件に含まれる。
したがって, が に属するためには, と表すすべての が を満たせばよい。これは と同値である。 とおく。この条件は である。 とおくと,2つの不等式のうち厳しい方は中心から遠い側であり, である。右辺が0以上でなければならないので,特に である。
一方,である。 を固定し, とおくと,右辺は であり, で微分すると である。したがって,固定した に対して は が最大のとき最大になる。
よって を代入すればよい。このとき であるから,である。したがって である。
等号が成り立つには かつ であればよい。このとき であり,実際 を満たす。対応する は である。よって, に属する複素数のうち絶対値が最大となるものは である。
条件・検算
集合 では同じ を与える2つの逆像がともに円内に必要である。等号時の は両方の境界条件を満たす。
別解
解法2(2円の和と三角不等式による別解)
方針
とし、2つの逆像 がともに半径 の円内にある条件を使う。2条件を加えて を直接評価し、三角不等式で を抑える。
解答
とおくと同じ に対応する2つの逆像は であるから、
の必要十分条件はである。
2つの不等式を2乗して加えるとしたがってゆえに三角不等式から両方の等号が成り立つにはであればよい。よってこのとき で条件を満たし、したがって求める はである。
総評
難度8、計算量7。2次写像の像を直接描くより、 として2つの逆像 , を同時に制限するのが核心である。目安は30分程度で、 と の両方が必要十分条件になる点を落とすと、集合 を大きく取り過ぎてしまう。最大化では を固定して の上限に押し上げる流れが重要で、等号条件が2円の交点 に対応することまで確認したい。
問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の関係または答案の論理を確認するための独自作図であり、条件・境界・結論を本文だけでも追えるようにした。