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東京大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

rは正の実数とし,角θ0<θ<π2を満たすとする。xy平面の原点OP0(1,0)P1として,図示された向き(P2を上半平面にとる向き)に点P2,P3,を,以下の条件(a),(b),(c)がn=0,1,2,に対して満たされるようにとる。

(a) Pn+1Pn+2=rPnPn+1

(b) PnPn+1Pn+2=θ

(c) 点PnPn+2Pn+3は同一直線上にある。

このとき次の問いに答えよ。

(1) rθを用いて表せ。

(2)Pnの座標を(xn,yn)とする。複素数zn=xn+yniθを用いて表せ。

(3) 数列{xn}{yn}がともに収束するための必要十分条件はπ3<θ<π2であることを証明せよ。

以下π3<θ<π2とする。極限値limnxn,limnynをそれぞれθの関数と考えて,α(θ)β(θ)とおく。

(4) 極限値limθπ3+0α(θ),limθπ3+0β(θ)をそれぞれ求めよ。

(5) π3<θ<π2におけるβ(θ)の最大値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

複素数平面数列三角関数微分 複素数の極形式、回転・拡大和の計算必要十分条件微分による最大最小

方針

辺を表す複素数を wn=zn+1zn とおく。各辺は直前の辺を πθ 回転して r 倍したものなので、wn は等比数列になる。最初の一直線条件から r を決め、zn を等比数列の和で表す。収束は公比の絶対値で判定し、最後は極限の虚部を微分して最大化する。

解答

(1) 図の向きでは、辺 Pn+1Pn+2 は辺 PnPn+1 を反時計回りに πθ 回転し、長さを r 倍したものである。特にz2=1+rei(πθ)=1reiθ,z3z2=r2e2i(πθ)=r2e2iθ.P0,P2,P3 が同一直線上にあるためには、z2z3z2 の偏角の差が 0 または π でなければならない。したがってIm{e2iθ(1reiθ)}=0.左辺は sin2θrsinθ だから、0<θ<π/2 よりr=2cosθ.この値なら同じ相似関係が以後も繰り返され、条件(a)--(c)を満たす。

(2) wn=zn+1zn とおくと、w0=1 でありwn+1=rei(πθ)wn=reiθwn.よって、q=2cosθeiθ とおけばwn=qn,zn=k=0n1qk=1qn1q(n1),また z0=0 である。すなわちzn=1(2cosθeiθ)n1+2cosθeiθ.(3) q1 なので、上式より zn が収束することと qn が収束することは同値である。q<1 なら qn0 である。q>1 なら絶対値が発散する。q=1qn が収束すると仮定すれば、(q1)qn=qn+1qn0となるが、q1, qn=1 に反する。したがって必要十分条件はq=2cosθ<1,すなわちπ3<θ<π2である。複素数列 zn の収束は実部列 xn と虚部列 yn がともに収束することと同値なので、主張が示された。

(4) 収束する範囲ではlimnzn=11+2cosθeiθ.c=cosθ,s=sinθ とおき分母を実数化するとα(θ)=1+2c21+8c2,β(θ)=2cs1+8c2.よってlimθπ/3+0α(θ)=12,limθπ/3+0β(θ)=36.(5) u=cos2θ とおくと 0<u<1/4 であり、β(θ)2=4u(1u)(1+8u)2.この右辺を u で微分すると、その符号は 110u の符号に一致する。したがって u=1/10 で最大となり、β(θ)2=19.この範囲で β(θ)>0 だから、最大値は13である。

条件・検算

収束条件では端点 θ=π/3 を含めない。最大点 cos2θ=1/100<cos2θ<1/4 の内部にあり、実際に達成される。

総評

難度6、計算量6。想定時間は25分程度。最初に辺ベクトルを複素数化できれば、一直線条件、一般項、収束判定が一つの公比でつながる。得点差がつくのは、q=1 を単に除外せず非収束を説明する点と、(5)で u=cos2θ の範囲を明記する点である。なお原資料の角記号が三角形記号として取り込まれていたため、問題文では に訂正し、紙面図が担っていた P2 の向きも文章で補った。

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出典: 東京大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。