方針
加法定理で と を展開すると、右辺は必ず と の一次結合になる。したがって解があるなら と置ける。直交性 、 を使って の連立一次方程式に帰着し、和と差を取って一意性の条件を調べる。
解答
加法定理より である。したがって与えられた等式の右辺は、どのような連続関数 に対しても と の一次結合になる。よって解が存在するなら と書ける。
このときであり、同様に である。
これをもとの等式に代入すると、 の係数は であり、 の係数は である。したがって係数比較によりを得る。両式を整理して2倍すると である。
この2式を加えると であり、引くと である。
ここで なら、上の和の式が となり、解は存在しない。また のときは、差 が一意に決まらない。ただし同時に となる場合はすでに解が存在しない場合に含まれる。したがって、関数 がただ一つ定まるための条件は である。すなわち である。
この条件のもとでは であるから となる。よって求める関数は である。
別解
解法2(2つの固有方向に分ける)
方針
右辺が の一次結合になることを確認し、
と の2方向に分解する。
各方向の倍率が1でないことが一意性条件になる。
解答
加法定理から、積分を含む部分は任意の に対して
の一次結合になる。したがって解はの形に限られる。とおく。積分作用は 方向を
倍し、 方向を
倍する。また非斉次項は である。
よって与式はと同値である。
第1の係数が0なら となって解がなく、
第2の係数が0なら が自由になって解が一意でない。
したがって一意に定まる条件はすなわちこのときだから であり、
総評
難度7、計算量6。積分方程式に見えるが、加法定理により未知量は と の係数2つだけになる。採点上は、解がこの2次元の形に限られる理由、三角関数の直交性による積分計算、連立一次方程式の一意性条件を順に書く必要がある。特に では和の式が矛盾し、 では差が自由になるため、「係数が0だから除外」とだけ書くと説明不足になりやすい。目安は20分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、等号条件、範囲を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。