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東京大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

0πexsin2xdx>8であることを示せ。
ただし,π=3.14は円周率,e=2.71は自然対数の底である。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

積分指数・対数三角関数方程式・不等式 部分積分、定積分評価不等式評価、計算整理

方針

sin2x=(1cos2x)/2 を用いて積分を正確に計算し、値を eπ の式へ直す。残る eπ>21 は、問題文から読める e>2.7π>3.14 と、微分で示せる eu>1+u を組み合わせて証明する。

解答

まず積分値を計算する。 sin2x=1cos2x2 であるから0πexsin2xdx=120πexdx120πexcos2xdx.ここで ddx{ex(cos2x+2sin2x)5}=excos2x である。したがって0πexcos2xdx=[ex(cos2x+2sin2x)5]0π=eπ15である。また0πexdx=eπ1である。よって0πexsin2xdx=12(eπ1)12eπ15=25(eπ1).したがって、示すべきことは 25(eπ1)>8 すなわち eπ>21 である。

これを示す。e>2.7π>3.14 であり、u>0 に対して eu>1+u が成り立つ。よって eπ=e3eπ3>2.73e0.14>2.73(1+0.14) である。ここで 2.73=19.683 なので 2.731.14=22.43862>21 である。したがって eπ>21 である。

以上より0πexsin2xdx=25(eπ1)>25(211)=8である。よって0πexsin2xdx>8が示された。

別解

解法2

方針

指数関数を4次多項式で下から評価し、その多項式に sin2x を掛けて直接積分する。多項式評価は差を5回微分して符号を戻すことで示し、積分値は部分積分の漸化式で厳密に計算する。

解答

x0 に対しex>1+x+x22+x36+x424(x>0)を示す。左辺から右辺を引いた関数を g(x) とすると、g(0)=g(0)==g(4)(0)=0 であり、g(5)(x)=ex>0 である。微分係数の符号を順に戻せば x>0g(x)>0 となる。

従って0πexsin2xdx>0π(1+x+x22+x36+x424)sin2xdx.Jk=0πxkcos2xdxと置く。部分積分を2回行うと k2 についてJk=kπk14k(k1)4Jk2,また J0=J1=0 である。従ってJ2=π2,J3=3π24,J4=π33π2.sin2x=(1cos2x)/2 を用いて整理すると、右辺の積分は13π32+3π216+π316+π448+π5240.この式は π>0 で増加し、問題文より π>3.14 だから13π32+3π216+π316+π448+π5240>8.36>8.以上から0πexsin2xdx>8が従う。

総評

まず積分を正確に求めて指数不等式へ帰着する解法が最短である。問題文の小数表示は e>2.7, π>3.14 を使ってよいという手掛かりになっている。第2解法は指数関数の多項式下界を微分だけで証明しており、級数展開を黒箱にしていない。どちらも数値近似だけで結論を出さず、厳密な下界が8を超えることを示す。

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出典: 東京大学 1999年度 前期 理系 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。