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東京大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

四角形ABCDが,半径658の円に内接している.
この四角形の周の長さが44で,辺BCと辺CDの長さがいずれも13であるとき,残りの2辺ABDAの長さを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

図形と方程式三角関数 円の性質三角比の利用、式変形

方針

半径をR=658とし,各辺に対応する中心角の半分をα,β,β,δとおく.BC=CD=13からsinβ=45を求め,周長条件でAB+DA=18を得る.和積公式からABDAも求め,和と積をもつ2次方程式へ帰着する.

解答

円の半径を R=658 とする。円の弦の長さは,その弦に対応する中心角を 2φ とすると 2Rsinφ である。

BCCDに対応する中心角の半分をどちらもβとおく.等しい弦に対応する弧は小弧か大弧であるが,一方が大弧で他方が小弧なら,その2弧だけで円周全体を占めてしまう.四角形の残り2辺があるので,両方とも小弧であり0<β<π2である.BC=CD=13 より 13=2Rsinβ=654sinβ である。したがって sinβ=45 であり,0<β<π/2 だから cosβ=35 である。

次に,辺 ABDA に対応する中心角の半分をそれぞれ α,δ とする。4つの弧で円を一周するので α+β+β+δ=π すなわち α+δ=π2β である。よって cos(α+δ)=cos(π2β)=cos2β であり,cos2β=(35)2(45)2=725 だから cos(α+δ)=725 である。またsin(α+δ)=sin(2β)=24535=2425である。

周の長さが44で,BC=CD=13 だから AB+DA=441313=18 である。一方 AB=2Rsinα,DA=2Rsinδ であるから 654(sinα+sinδ)=18 であり,sinα+sinδ=7265 となる。

和積公式よりsinα+sinδ=2sinα+δ2cosαδ2である。ここでsinα+δ2=1cos(α+δ)2=17252=35である。したがって 235cosαδ2=7265 より cosαδ2=1213 を得る。よって cos(αδ)=2(1213)21=119169 である。

したがってsinαsinδ=cos(αδ)cos(α+δ)2=1191697252=8964225である。ゆえにABDA=(2R)2sinαsinδ=(654)28964225=56である。 AB+DA=18ABDA=56 だから,AB,DA は2次方程式 t218t+56=0 の2解である。よって (t4)(t14)=0 となり,AB,DA=4,14 である。どちらが AB でどちらが DA であるかは,図の取り方を入れ替えると交換される。

弦の条件から和と積をそろえれば,最後は2次方程式に帰着する.

別解

解法2(対角線と余弦定理)

方針

対角線BDを共通弦BC=CD=13から求める.三角形ABDにおいてAB+DA=18を使い,余弦定理から積ABDAを直接決定する.

解答

BC=CD=13に対応する中心角の半分をβとする.解法1と同様に,両辺は小弧に対応するのでsinβ=45cosβ=35である.

BC=CD=13 に対応する半角を β とすると,対角線 BD は中心角 4β に対応する弦である。したがって BD=2Rsin2β=6542425=785 である。また,BAD は弧 BCD に対する円周角なので BAD=2β,cosBAD=cos2β=725 である。AB=s, DA=t とおくと s+t=18 であり,三角形 ABD に余弦定理を用いて (785)2=s2+t22st(725) となる。s2+t2=(s+t)22st=3242st を代入すると 608425=3243625st であり,st=56 を得る。よって同じく s,t=4,14 である。

総評

難度6,計算量5。目安時間は22分。弦の長さを中心角の半分で表す標準処理を使うと,周長条件が sinα+sinδ の条件になる。計算の山は ABDA を出すところで,和だけで終わらず積まで整理する必要がある。別解のように対角線 BD と余弦定理を使うと,積 ABDA がより直接出る。

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出典: 東京大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。