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東京大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

rを正の実数とする。
xyz空間内の原点O(0,0,0)を中心とする半径1の球をA,点P(r,0,0)を中心とする半径1の球をBとする。
Aと球Bの和集合の体積をVとする。ただし,球Aと球Bの和集合とは,球Aまたは球Bの少なくとも一方に含まれる点全体よりなる立体のことである。

(1) Vrの関数として表し,そのグラフの概形をかけ。

(2) V=8となるとき,rの値はいくらか。四捨五入して小数第1位まで求めよ。

注意:円周率π3.14<π<3.15をみたす。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

積分図形と方程式 体積計算、範囲評価、グラフの概形

方針

2球の中心間距離は r で、半径はいずれも1である。r2 なら共通部分がないため、和集合の体積は2球分で一定になる。0<r<2 では、共通部分は2つの同じ球冠からなる。中心を結ぶ直線に垂直な平面で切ると、各球から見た球冠の高さは h=1r/2 である。球冠体積を1変数積分で求め、2球の体積の和から共通部分を引いて V(r) を出す。最後に単調性を確認し、V=8 では r=1.451.55 を評価して小数第1位を決める。

解答

(1)

2つの球の半径はいずれも1で、中心間距離は r である。まず r2 のとき、2つの球は内部を共有しない。したがって和集合の体積は2つの単位球の体積の和であり、V=243π=8π3 である。

次に 0<r<2 とする。2つの球の共通部分は、2つの同じ高さの球冠からなる。中心を結ぶ線分の中点にある平面が共通部分の境目になり、各球から見た球冠の高さは h=1r2 である。

半径1の球の高さ h の球冠の体積を求める。球の中心を原点に置き、x 軸方向に切ると、断面積は π(1x2) である。球冠は 1hx1 に対応するので、体積は1h1π(1x2)dx=π[xx33]1h1である。これを整理すると πh2(1h3) となる。

したがって2球の共通部分の体積は 2πh2(1h3) である。ここに h=1r/2=(2r)/2 を代入すると、2πh2(1h3)=π(4+r)(2r)212 である。

よって和集合の体積は V=8π3π(4+r)(2r)212 であり、整理して V=π(16+12rr3)12(0<r<2) となる。したがってV={π(16+12rr3)12(0<r<2),8π3(r2)である。 0<r<2 では V(r)=π12(123r2)=π(4r2)4>0 である。したがってグラフは、r が0に近いところで 4π/3 に近づき、0<r<2 で増加し、r=28π/3 に達し、その後は水平になる。

(2) 8π/3>8 であり、また r が0に近いとき V4π/3<8 に近づくので、V=8 の解は 0<r<2 にある。さらにこの範囲で V は増加するから、挟み撃ちで r を決められる。 r=1.45 のとき 16+12rr312=2.52928125 である。π<3.15 より V<2.529281253.15=7.9677359375<8 である。 r=1.55 のとき 16+12rr312=2.573010 である。π>3.14 より V>2.5730103.14>8 である。

よって、単調性から 1.45<r<1.55 である。したがって r を四捨五入して小数第1位まで求めると r=1.5 である。

条件・検算

r0+V4π/3r=2 で両方の式が 8π/3 となる。さらに 0<r<2 で単調増加するので、(2)の解は一意である。

総評

難度6、計算量5。目安時間は25〜32分。2球の和集合は「2球の体積の和から共通部分を引く」と考えるのが最も整理しやすい。r=2 を境に共通部分が消えるため、関数表示は必ず場合分けが必要である。0<r<2 では共通部分を高さ 1r/2 の球冠2つとして処理するが、球冠の高さを r/2 と取り違えると式全体が崩れる。(2)は方程式を厳密に解く必要はなく、単調性を確認した上で 1.451.55 を挟めば小数第1位が確定する。与えられた 3.14<π<3.15 を上限・下限で使い分ける点も採点対象になる。

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出典: 東京大学 2004年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。