方針
と置くと である。まず の実数解の個数を、極大値 、極小値 によって分類する。(2)は と見て、外側の方程式 の各解 に対し、内側の方程式 の解の個数を合計する。 では外側に重解を含むため個数が になる。(3)は なら の3解がすべて に入ることを使い、合成を1段増やすたびに解の個数が3倍になることを帰納法で示す。
解答
(1) とおく。すると である。 より、 は で増加、 で減少、 で増加する。また である。したがって を満たす実数 の個数はである。
(2) である。外側の値を とおいて、まず の実数解を調べ、その各 について の実数解の個数を足し合わせる。 のとき、 は実数解を1個だけもつ。 ならその解は 、 なら である。いずれの場合も は実数解を1個だけもつ。したがって の実数解は1個である。 のとき、 は より、異なる実数解として をもつ。 は より3個の実数解をもち、 は極大値に対応するので2個の実数解をもつ。よって合計 個である。 のときも同様に、 の異なる解は であり、 が2個、 が3個の実数解をもつので、合計5個である。 のとき、 は3個の実数解をもつ。さらにその3解はそれぞれ に入る。したがって各 に対して は3個の実数解をもつので、合計 個である。
以上より、 を満たす実数 の個数はである。
(3)
まず、 のとき は3個の実数解をもち、その3解はいずれも に入ることを確認しておく。これは(1)の増減から、3つの解がそれぞれ , , に1個ずつあるためである。
この事実を用いて、任意の について、 ならば を満たす実数 の個数が であることを帰納法で示す。 のときは(1)より成り立つ。 で成り立つと仮定する。 は である。 の3個の実数解を とすると、上で述べたように である。帰納法の仮定より、それぞれの方程式 は 個の実数解をもつ。また は互いに異なるので、これらの解集合は重ならない。したがって の実数解は 個である。
よって主張はすべての で成り立つ。特に は を満たすので、 に対して を満たす実数 の個数は である。
条件・検算
では重解を重複して数えず、異なる実数解の個数を数えている。帰納段階では3つの中間値が異なるため逆像集合も互いに素である。
総評
難度8、計算量6。目安時間は32〜38分。文科第3問の一般化であり、合成関数を展開せず、外側から順に値を戻して数える姿勢が重要である。(2)では の場合だけ、外側の方程式が2つの異なる実数解をもち、そのうち一方が端値に当たるため になる。この境界処理を と同じ にしてしまう誤りが多い。(3)は、 なら解が3個あるだけでなく、その3個が再び に入ることが帰納法の継続条件である。答案では、解集合が重ならないことも一言添えると個数の掛け算が明確になる。