方針
条件,から,を先に決め,の符号を調べる。はの積分なので,が区間内で符号を変えないときはに等しい。符号が変わるときは,がいったん極小または極大をとるため,その値を使って全変動を計算する。(2)は(1)の結果からも出せるが,別解としてを使えば最小値だけを直接押さえられる。
解答
(1)
よりである。またより となるので である。したがって である。
まずのときを考える。このとき である。は1次式なので,区間で常にとなる。よって である。
次にのときを考える。このとき,であり,となる点は である。よりである。この点では極小となり,である。したがっては,から極小値まで下がる長さと,そこからまで上がる長さの和で である。よって となる。
最後にのときを考える。このとき,であり,同じ点 では極大となる。よりであり,値は同じく である。今度はから極大値まで上がり,そこからまで下がるので である。したがって となる。
以上よりである。
(2)
(1) の結果より,ではである。またのときは であり,のときも である。したがっての最小値は である。
別解。最小値だけなら,絶対値積分の基本的な不等式から直接出せる。任意のについてである。一方,例えばは条件,を満たし,このときだから である。よって最小値はやはりである。
別解
解法2(絶対値積分と全変動)
方針
(1) は の零点が区間 に入るかを端点の符号で判定し、入る場合だけ積分区間を分割する。(2)は三角不等式 で下界2を直接出し、等号を実現する整式を示す。
解答
(1)
と からしたがって端点での値はである。
なら は で非負だから のとき、零点は にある。また では は負から正へ変わるので では符号が逆になるからよって(2)
任意の条件を満たす に対して一方、 とすれば条件を満たし、したがって の最小値はである。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中5。目安時間は16分程度で、 を関数値の全変動として読む問題である。 は1次式なので、端点 、 の符号から零点が区間内にあるかを判定する。符号が変わる場合は、極値を用いる方法と積分を零点で分割する方法の双方を確認した。(2)だけなら が最短であり、等号例 まで書いて下界が実現することを示す。端点 は中央の場合に含まれる。