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東京大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

xの3次関数f(x)=ax3+bx2+cx+dが,3つの条件f(1)=1,f(1)=1,11(bx2+cx+d)dx=1をすべて満たしているとする。このようなf(x)の中で定積分I=11/2{f(x)}2dxを最小にするものを求め,そのときのIの値を求めよ。
ただし,f(x)f(x)の導関数を表す。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

関数微分積分 文字消去微分による最大最小定積分評価、計算整理

方針

3条件をまず係数条件に直す。f(1)=1f(1)=1 は、偶数次部分 b+d と奇数次部分 a+c を分離してくれる。さらに積分条件では奇関数部分 cx が消えるので、b,d が決まり、残る自由度は a だけになる。あとは f(x)=6ax+2b を用いて Ia の2次式として正確に展開し、平方完成で最小値とそのときの f(x) を求める。

解答

条件を係数で書く。まず f(1)=a+b+c+d=1,f(1)=a+bc+d=1 である。これらを加えると 2b+2d=0 だから b+d=0 であり、引くと 2a+2c=2 だから a+c=1 である。したがって d=b,c=1a である。

次に積分条件を用いる。奇関数 cx[1,1] における積分は0なので、11(bx2+cx+d)dx=b11x2dx+d111dx=23b+2dである。これが1に等しく、また d=b であるから 23b2b=1 すなわち 43b=1 である。よって b=34,d=34 となる。

したがって条件を満たす3次関数は f(x)=ax334x2+(1a)x+34 と表される。ここで f(x)=6ax+2b=6ax32 であるからI=11/2(6ax32)2dxである。展開して (6ax32)2=36a2x218ax+94 であり、11/2x2dx=[x33]11/2=38,11/2xdx=[x22]11/2=38,11/21dx=32である。よってI=36a23818a(38)+9432=272a2+274a+278となる。

平方完成すると I=272(a+14)2+8132 である。したがって I が最小となるのは a=14 のときであり、その最小値は 8132 である。このとき c=1a=54 だから、求める関数は f(x)=14x334x2+54x+34 であり、最小値は I=8132 である。

別解

解法2(積分の内側で平方完成する)

方針

3条件から b=3/4d=3/4c=1a までを先に決める。その後 a=1/4+h とおくと、積分内の交差項の積分値が0になる。この直交性を使えば、展開した2次式をあとから平方完成せずに最小点と最小値を同時に得られる。

解答

f(1)=1f(1)=1 の和と差からb+d=0,a+c=1を得る。また11(bx2+cx+d)dx=23b+2d=1であり、d=b だからb=34,d=34,c=1aとなる。したがってf(x)=ax334x2+(1a)x+34,f(x)=6ax32である。

ここでa=14+hとおく。するとax14=hxx+14であり、I=3611/2{hxx+14}2dxとなる。交差項に現れる積分は11/2x(x+1)dx=[x33+x22]11/2=0である。また11/2x2dx=38,11/2(x+1)2dx=98だからI=36(38h2+11698)=272h2+8132.よって最小となるのは h=0、すなわち a=1/4 のときである。このときf(x)=14x334x2+54x+34,Imin=8132である。

総評

係数条件を整理して1変数の2次式最小化へ落とす問題である。目安時間は18分。f(1),f(1) の和と差を使って偶数次部分と奇数次部分を分けること、積分条件で cx の積分が消えること、f には c,d が出てこないことが主要な観察である。計算量は重くないが、一次項の積分値 3/8 の符号を誤ると最小点がずれる。答案では、自由度が a だけ残ることを明示してから平方完成まで書くと、条件をすべて使ったことが読み手に伝わる。

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出典: 東京大学 2011年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。