方針
微分して f′(x) を cosx と x−sinxcosx の積に整理する。後者が正であることを、その導関数から示す。すると f′(x) の符号は −cosx の符号だけで決まる。端点の極限は、左端では基本極限 sinx/x→1、右端では sinx→+0 を使う。
解答
0<x<π では sinx>0 である。微分して整理するとf′(x)=sin2xsinx−xcosx−sinx=sin2xcosx(sinxcosx−x).ここでg(x)=x−sinxcosxとおくとg′(x)=1−cos2x=2sin2x>0(0<x<π).また g(0)=0 なので g(x)>0 である。したがって sinxcosx−x<0 であり、f′(x) の符号は −cosx の符号と一致する。
さらにf(2π)=2π.よって増減表はxf′(x)f(x)+02−↘2π02π+↗π−0+∞となる。
左端ではx→+0limsinxx=1,x→+0limcosx=1だからx→+0limf(x)=2.右端では x→π>0、sinx→+0、cosx→−1 なのでx→π−0limf(x)=+∞.
別解
解法2
方針
導関数を sin2x−2x を含む形に変形し、基本不等式 sinu<u(u>0) からその符号を一度に決める。極限は y=π−x と置き換え、右端も y→+0 の形に統一する。
解答
導関数はf′(x)=sin2xcosx(sinxcosx−x)=2sin2xcosx(sin2x−2x).0<x<π では 2x>0 であり、sinu<u(u>0) よりsin2x−2x<0.したがって⎩⎨⎧f′(x)<0f′(x)=0f′(x)>0(0<x<2π),(x=2π),(2π<x<π).ゆえに f は x=π/2 で最小値 π/2 をとる。
左端の極限はx→+0limf(x)=x→+0lim(sinxx+cosx)=1+1=2.右端では y=π−x とおくと y→+0 であり、f(π−y)=sinyπ−y−cosy.第1項は +∞、第2項は −1 に近づくからx→π−0limf(x)=+∞.
総評
難度4、目安時間15分。微分後の式をそのまま眺めず、cosx と常に負の因子へ分解するのが要点である。x−sinxcosx>0 は再微分でも sin2x<2x でも確認できる。増減表には区間、導関数の符号、中央の値、両端の極限をそろえて記す。右端では sinx→0 だけでなく、区間内から近づくため sinx→+0 であることが重要である。
冊子PDFで見る東大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東京大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 数学(理科)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。