東京大学 2018年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 微分、三角関数、関数
- 解法
- 増減表、微分による最大最小、極限計算、不等式評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
関数
f(x)=sinxx+cosx(0<x<π)
の増減表をつくり、
x→+0limf(x),x→π−0limf(x)
を求めよ。
出典:東京大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
解法1
微分して f′(x) を cosx と x−sinxcosx の積に整理する。後者が正であることを、その導関数から示す。すると f′(x) の符号は −cosx の符号だけで決まる。端点の極限は、左端では基本極限 sinx/x→1、右端では sinx→+0 を使う。
解法2
導関数を sin2x−2x を含む形に変形し、基本不等式 sinu<u(u>0) からその符号を一度に決める。極限は y=π−x と置き換え、右端も y→+0 の形に統一する。
解答
解法1
0<x<π では sinx>0 である。微分して整理すると
f′(x)=sin2xsinx−xcosx−sinx=sin2xcosx(sinxcosx−x).
ここで
g(x)=x−sinxcosx
とおくと
g′(x)=1−cos2x=2sin2x>0(0<x<π).
また g(0)=0 なので g(x)>0 である。したがって sinxcosx−x<0 であり、f′(x) の符号は −cosx の符号と一致する。
さらに
f(2π)=2π.
よって増減表は
xf′(x)f(x)+02−↘2π02π+↗π−0+∞
となる。
左端では
x→+0limsinxx=1,x→+0limcosx=1
だから
x→+0limf(x)=2.
右端では x→π>0、sinx→+0、cosx→−1 なので
x→π−0limf(x)=+∞.
解法2
導関数は
f′(x)=sin2xcosx(sinxcosx−x)=2sin2xcosx(sin2x−2x).
0<x<π では 2x>0 であり、sinu<u(u>0) より
sin2x−2x<0.
したがって
⎩⎨⎧f′(x)<0f′(x)=0f′(x)>0(0<x<2π),(x=2π),(2π<x<π).
ゆえに f は x=π/2 で最小値 π/2 をとる。
左端の極限は
x→+0limf(x)=x→+0lim(sinxx+cosx)=1+1=2.
右端では y=π−x とおくと y→+0 であり、
f(π−y)=sinyπ−y−cosy.
第1項は +∞、第2項は −1 に近づくから
x→π−0limf(x)=+∞.