東京大学 2018年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 図形と方程式、ベクトル、積分、関数
- 解法
- 軌跡、面積計算、場合分け、極限計算、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 7 / 10 目安 —
問題
放物線 y=x2 のうち −1≦x≦1 を満たす部分を C とする。座標平面上の原点 O と点 A(1,0) を考え、k>0 とする。
点 P が C 上を動き、点 Q が線分 OA 上を動くとき、
を満たす点 R が動く領域の面積を S(k) とする。
S(k),k→+0limS(k),k→∞limS(k)
を求めよ。
出典:東京大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
解法1
P=(t,t2)、Q=(u,0) とおくと R=(t/k+ku,t2/k) である。高さ Y を固定し、s=kY とおくと、t=±s から長さ k の横区間が2本現れる。重なり条件 s≦k2/2 と 0≦s≦1 を比較すると、k=2 を境に領域の形が変わる。各高さの横幅を積分して面積を求める。
解法2
t≧0 と t≦0 から生じる2領域を別々に見る。各領域は横幅 k、高さ 1/k なので面積1である。したがって全体の面積は2から重なりの面積を引けばよい。重なり幅を高さ Y の式で表し、場合ごとに積分する。
解答
解法1
P=(t,t2)、Q=(u,0) とおく。ただし
−1≦t≦1,0≦u≦1.
R=(X,Y) とすると
X=kt+ku,Y=kt2.
高さ Y を固定し、
とおくと t=±s、0≦s≦1 である。したがって X の範囲は
[−ks,−ks+k]∪[ks,ks+k].
2区間が重なる条件は
ks≦−ks+k⟺s≦2k2.
まず k≧2 とする。このとき k2/2≧1 なので、全高さで2区間が重なる。横幅は
であるから、
S(k)=∫01/k(k+k2kY)dY=1+3k24.
次に 0<k<2 とする。2区間が重なるのは
0≦Y≦4k3
である。この範囲の横幅は k+2kY/k、それより上では2区間が分かれ、横幅の和は 2k となる。よって
S(k)==∫0k3/4(k+k2kY)dY+∫k3/41/k2kdY2−12k4.
したがって
S(k)=⎩⎨⎧2−12k41+3k24(0<k<2),(k≧2).
k=2 では両式とも 5/3 となる。また
k→+0limS(k)=2,k→∞limS(k)=1.
解法2
t≧0 から生じる領域を E+、t≦0 から生じる領域を E− とする。各高さで横幅は k、高さの範囲は 0≦Y≦1/k だから
∣E+∣=∣E−∣=∫01/kkdY=1.
よって
S(k)=2−∣E+∩E−∣.
s=kY とすると、重なり幅は
0<k<2 では、重なりは 0≦Y≦k3/4 に限られるので
∣E+∩E−∣=∫0k3/4(k−k2kY)dY=12k4.
したがって
S(k)=2−12k4.
k≧2 では全高さで重なるため
∣E+∩E−∣=∫01/k(k−k2kY)dY=1−3k24.
よって
S(k)=1+3k24.
以上から極限も
k→+0limS(k)=2,k→∞limS(k)=1
と分かる。