方針
(1) は左辺から右辺を引いた h(x)=ex−e−x−2x を考え、導関数 ex+e−x−2≧0 で単調性を示す。等号の位置と h(0)=0 から解を一意にする。(2)は p=0 を直接確認し、p=0 では積分値を (ep−e−p)/p と計算して(1)の方程式へ帰着する。
解答
(1) h(x)=ex−e−x−2x とおく。すると h′(x)=ex+e−x−2 である。相加平均・相乗平均より ex+e−x≧2 であり、等号は ex=e−x、すなわち x=0 のときだけである。よって h′(x)≧0 であり、h は増加関数である。さらに x=0 を含む区間では導関数が正になる部分をもつので、h は実質的に一方向にしか進まない。 h(0)=0 であるから、x>0 では h(x)>0、x<0 では h(x)<0 となる。したがって ex−e−x=2x の解は x=0 に限られる。
(2)
まず p=0 のとき∫1/eetp−1dt=∫1/eet1dt=[logt]1/ee=2である。
次に p=0 とする。このとき∫1/eetp−1dt=[ptp]1/ee=pep−e−pである。これが2に等しいなら ep−e−p=2p が成り立つ。(1)よりこの方程式の解は p=0 に限られるが、これは p=0 に反する。
したがって条件をみたすのは p=0 の場合に限る。
別解
解法2(積分による符号判定)
方針
指数関数の差を微分して得る非負関数を0から積分し、
方程式の左辺と右辺の大小を x の符号ごとに決める。
後半は積分を計算して同じ方程式へ帰着する。
解答
(1)
相加相乗平均よりet+e−t−2≧0で、等号は t=0 のときに限る。したがってex−e−x−2x=∫0x{et+e−t−2}dt.x>0 なら右辺は正、x<0 なら積分の向きが逆なので負である。
x=0 では0になる。よってex−e−x=2xの解は x=0 に限られる。
(2)
p=0 のとき∫1/eet1dt=2である。p=0 なら∫1/eetp−1dt=pep−e−p.これが2なら ep−e−p=2p であるが、(1)よりその解は
p=0 だけであり、p=0 に矛盾する。
したがって等式が成り立つのは p=0 の場合に限る。
総評
難度5、計算量4。(1)の単調性がそのまま(2)の一意性に使われる誘導問題である。ex+e−x≧2 の等号条件を明記し、h(0)=0 と合わせて解が0だけであることを示すのが要点。(2)では p=0 の積分だけ別扱いにする必要がある。目安は12分程度。 2つの解法は、答案で採用しやすい標準手順と、構造を見抜いて短く処理する手順を分けて示した。式変形の根拠、等号条件、必要性と十分性を省略せず、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
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出典: 北海道大学 2001年度 後期 数学 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。