方針
右辺 ex/n−1 は単調増加し、1 を超えると sinx と等しくなれないため、解は 0≦x≦nlog2 に限られる。また右辺が非負なので、sinx≧0 となる半周期だけを数えればよい。
各半周期 [2kπ,(2k+1)π] では、差 sinx−(ex/n−1) が上に凸でなく下に曲がる関数になり、零点は高々2個である。中央で正になる半周期は2個の解を与え、端の不完全な半周期の個数誤差は n で割ると消える。この上下評価で極限を求める。
解答
方程式を sinx=ex/n−1 と書く。右辺は x≧0 で単調増加し、かつ非負である。sinx≦1 なので、解が存在するには ex/n−1≦1 が必要である。したがって x≦nlog2 である。また右辺は非負だから、解は sinx≧0 となる範囲に限られる。 sinx≧0 となる半周期は Ik=[2kπ,(2k+1)π](k=0,1,2,…) である。各 Ik で fn(x)=sinx−(ex/n−1) とおくと、fn′′(x)=−sinx−n21ex/n<0 である。したがって fn(x) は各 Ik で上に凸ではなく、グラフは下向きに曲がる。このため、各 Ik における零点は高々2個である。
一方、Ik の中央 x=2kπ+2π でfn(2kπ+2π)=1−(e(2kπ+π/2)/n−1)=2−e(2kπ+π/2)/nである。したがって 2kπ+2π<nlog2 なら、この中央で fn>0 となる。区間の両端では sinx=0 であり、右辺は非負なので fn≦0 である。よってこのような半周期は2個の解を与える。ただし k=0 では左端 x=0 も解であり、それを含めて2個と数える。
ここで、中央が nlog2 より左にある半周期の個数を Ln、左端が nlog2 以下にある半周期の個数を Un とする。上の議論から 2Ln≦Pn≦2Un である。これらの個数は長さ 2π ごとに1つ現れるので、n→∞limnLn=n→∞limnUn=2πlog2である。したがって、はさみうちによりn→∞limnPn=2⋅2πlog2=πlog2である。
総評
解の正確な個数そのものより、周期ごとの解の数を評価して極限を出す問題で、目安時間は25分程度。まず x≦nlog2 で打ち切れること、次に sinx≧0 の半周期だけを見ればよいことが出発点である。各半周期で解が高々2個である理由として、fn′′(x)<0 を使うと論証が締まる。境界付近の半周期では解の個数がずれる可能性があるが、そのずれは高々定数個なので、n で割った極限には影響しない。
冊子PDFで見る北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。