方針
(1) は u=ea>0 とおいて2次方程式に直す。(2)は t を定数として見れば、分子 ex が分母 ex+e2t の x 微分になっているので対数で積分できる。(3)では s=et とおくと s≧1 で、F(t) の最大化は s(1+s)/(1+s2) の最大化に帰着する。対数は単調増加なので、中身の増減だけを調べ、(1)と同じ2次方程式 s2−2s−1=0 が現れることを利用する。
解答
(1) u=ea とおくと、u>0 である。方程式は u2−2u−1=0 となるので、u=1±2 である。ここで 1−2<0 であり、u>0 に反する。したがって u=1+2 であり、a=log(1+2) である。
(2) t を固定した定数として扱う。分母を x で微分すると dxd(ex+e2t)=ex であるから、∫ex+e2texdx=log(ex+e2t)である。したがってF(t)=∫0tex+e2texdx=[log(ex+e2t)]0t=log(et+e2t)−log(1+e2t)である。よって F(t)=log1+e2tet+e2t である。
(3) s=et とおく。t≧0 より s≧1 であり、(2)の結果は F(t)=log1+s2s+s2=log1+s2s(1+s) となる。対数関数は単調増加であるから g(s)=1+s2s(1+s)(s≧1) の最大値を調べればよい。 g(s)>0 なので、g′(s) の符号は (logg(s))′ の符号と同じである。ここで (logg(s))′=s1+1+s1−1+s22s である。分母を払うと、符号を決める分子は (1+s)(1+s2)+s(1+s2)−2s2(1+s)=1+2s−s2 である。したがって停留点は 1+2s−s2=0 すなわち s2−2s−1=0 を満たす。s≧1 より s=1+2 である。 1+2s−s2 は 1≦s<1+2 で正、s>1+2 で負であるから、g(s) は s=1+2 で最大となる。したがって最大値を与える t は t=log(1+2) である。
このとき s2=2s+1 であるからg(s)=1+s2s(1+s)=2s+2s(1+s)=2s=21+2である。ゆえに F(t) の最大値は log21+2 である。
端点と無限遠の確認F(0)=0,t→∞limF(t)=0であり、内部点で得た最大値は正である。したがって増減判定と端の挙動が整合する。
別解
解法2(別観点)
方針
積分で得た対数の中身を、微分せず平方の因数分解で評価する。上界との差が非負の定数倍の平方になることを示し、等号条件から最大点を決める。
解答
(1)
u=ea>0 とおくと u2−2u−1=0 である。正の解だけを採用してa=log(1+2)を得る。
(2)
t を定数として積分するとF(t)=[log(ex+e2t)]0t=log1+e2tet+e2t.(3)
s=et≧1 とおくと、対数の中身はg(s)=1+s2s(1+s)である。ここでM=21+2とおくとM(1+s2)−s(1+s)=22−1(s−(1+2))2≧0.したがって g(s)≦M であり、等号は s=1+2 のときに限る。よって最大値を与える値と最大値はt=log(1+2),maxF(t)=log21+2である。
総評
難度5、計算量5。積分と最大化がきれいにつながる問題で、目安は16分程度である。(2)では e2t を x に関する定数として扱うことが第一の注意点である。(3)では s=et≧1 と置くことで式が整理され、(1)と同じ s2−2s−1=0 が現れる。対数の中身を最大化すること、停留点の前後で増減が変わること、最大値の代入で s2=2s+1 を使うことを答案に残したい。
問題・解答の積分・総和・極限は独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図である。
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出典: 北海道大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。