方針
行列の形は、平面上のベクトルを回転しながら一定倍率で伸縮する形になっている。そこで 、 とおき、 を直接展開して交差項が消えることを見る。倍率 は三角関数の加法定理で に整理できる。(2)は等比数列の極限条件 に直し、与えられた正方形領域内で となる2つの三角形領域を図示する。
解答
(1) とおく。漸化式は と書ける。したがってである。途中で と が打ち消し合う。
次に倍率を計算する。である。また より である。よって である。
(2)
(1) より、 は公比 の等比数列である。常に だからとなる条件は すなわち である。
与えられた範囲では であるから となり、この範囲では である。したがって は と同値である。 でこれが成り立つのは のときである。よって求める範囲は を満たす部分である。
ただし、もとの領域はである。したがって図示すると、この正方形の中で、境界直線 を含まない、右上と左下の2つの三角形領域である。
境界の確認 では公比が1となり のままなので、境界は含まれない。角の2点 では公比0となり、条件を満たす。
別解
解法2(別観点)
方針
実数2成分を複素数 にまとめる。漸化式を1つの複素数倍と見て絶対値の2乗を取り、等比数列と領域条件を導く。
解答
(1) とおく。漸化式からである。したがってここで だから(2)
極限が0となる必要十分条件は与えられた範囲ではなので、これはと同値である。したがって、正方形のうちとなる右上・左下の開いた三角形領域である。
総評
難度6、計算量5。行列をそのまま何度も掛けるのではなく、2乗和が一定倍率で変化することを見抜く問題である。目安は18分程度。 の展開で を出すこと、 の範囲から と判断すること、境界 を含めないことが採点上の要点である。図示では正方形全体ではなく、その中の2つの端の三角形だけを塗る。
問題・解答の積分・総和・極限は独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図である。