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熊本大学 2022年度 前期 医学科理系数学 第3問

pを正の実数とする.曲線y=sinxx>0の接線で点(p,0)を通るものをすべて考え,それらの接点のx座標を小さい方から順にa1,a2,,an,とする.このとき,以下の問いに答えよ.
(問1) n=1,2,3,に対して,tanan=an+pが成り立つことを示せ.
(問2) n=1,2,3,に対して,an+1an>πが成り立つことを示せ.
(問3) a1=π3のとき,n=1,2,3,に対して,tanan+1>nπ+3が成り立つことを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安16

三角関数微分数列論証・証明 接線・法線、範囲評価、不等式評価数学的帰納法

方針

接点を a として接線方程式を立て,点 (p,0) を通る条件から tana=a+p を得る。tanxxp の各枝での増加性を使い,次の解は前の解に π を足した点より右にあることを示す。最後は a1=π/3 から p を求め,(問2)を繰り返す。

解答

(問1)
接点の x 座標を an とする。曲線 y=sinxx=an における接線はy=cosan(xan)+sinanである。この接線が (p,0) を通るので0=cosan(pan)+sinanである。ここで cosan=0 なら sinan=0 となって矛盾するから,cosan0 である。したがってtanan=an+pである。

(問2)
F(x)=tanxxp とおく。解 an についてF(an+π)=tanananπp=π<0である。一方,an+π の右側の同じ枝では tanx は増加して + に近づくため,次の解 an+1an+π より右にある。したがってan+1an>πである。

(問3)a1=π3 であるから,(問1)より3=π3+pすなわちp=3π3である。(問2)を繰り返し用いるとan+1>a1+nπ=π3+nπである。よってtanan+1=an+1+p>nπ+π3+3π3=nπ+3である。

別解

解法2(正接関数の周期移動で解の位置を比べる方法)

方針

接線条件を H(x)=tanxx=p と表す。
各正の枝に解が1つずつあることを確認し、H(x+π)=H(x)π を使って
隣り合う解を比較する。

解答

(問1)
接点を (t,sint) とすると接線はysint=cost(xt).これが (p,0) を通るのでsint=(t+p)cost.cost=0 ではこの式は成り立たないから割ることができ、tanan=an+p.(問2)H(x)=tanxxとおく。各区間In=((n1)π,(n12)π)ではH(x)=tan2x0で、左端の値は (n1)π<p、右端では + となる。
よって H(x)=p の解は各 In にただ1つあり、それが an である。
an+πIn+1 でありH(an+π)=tanananπ=pπ<p.同じ枝で H は増加するからan+1>an+π,an+1an>π.(問3)
a1=π/3 と問1からp=3π3.問2を n 回用いるとan+1>a1+nπ=π3+nπ.したがってtanan+1=an+1+p>nπ+3.

総評

難度6,計算量5。想定時間は16分程度。接線条件から tana=a+p を導くまでは標準的だが,解の間隔を単に漸近線の位置だけで済ませず,F(an+π)<0 として次の解の位置を示すのが要点である。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。 熊本大学2022年度資料20頁(数学①②③解答原稿12頁・医系問題解答8頁)と独立本文を照合し、結論・設問対応・計算過程を再確認した。

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出典: 熊本大学 2022年度 前期数学 医(医学科)学部 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。