方針
当たりを引かない確率を1回ごとの確率の積で表す。m=25 では常用対数を取り,nlog10(25/24)>1 に直して与えられた log102,log103 の範囲評価で n=56,57 を判定する。極限は (1−1/m)m を自然対数の底の定義に帰着させる。
解答
(問1)
1回のくじで当たりを引かない確率は 1−m1 である。各回は同じ確率で行われるからpm,n=(1−m1)nである。
(問2)p25,n=(2524)nであるから,p25,n<0.1 は(2425)n>10と同値である。常用対数をとるとnlog102425>1である。ここでlog102425=2−5log102−log103であるから,条件より0.01772<log102425<0.01778である。したがって57⋅0.01772=1.01004>1より n=57 は条件を満たす。一方,56⋅0.01778=0.99568<1より n=56 は条件を満たさない。よって求める最小の n は57である。
(問3)pm,2m=(1−m1)2mである。k=m−1 とおくと(1−m1)m=(1+k1)−m={(1+k1)k}−m/kである。m→∞ のとき k→∞ かつ m/k→1 であるからm→∞lim(1−m1)m=e1である。したがってm→∞limpm,2m=(e1)2=e21である。
別解
解法2(問3:対数のはさみうち)
方針
pm,2m の自然対数を取り,0<t<1 に対する標準不等式 −t/(1−t)≦log(1−t)≦−t を使って極限をはさむ。
解答
(問3)
0<t<1 に対して−1−tt≦log(1−t)≦−tが成り立つ。これは両辺との差を微分すれば確認できる。t=1/m として 2m 倍すると−m−12m≦2mlog(1−m1)≦−2.左右はともに −2 に収束するからlogpm,2m=2mlog(1−m1)⟶−2.指数関数の連続性よりm→∞limpm,2m=e−2=e21である。
総評
難度5,計算量4,想定時間15分。公式の出題意図は,独立試行の乗法,常用対数による最小整数の判定,(1+1/k)k の極限の運用である。(問2)では下界で57が条件を満たし,上界で56が満たさないことを別々に示すのが要点。(問3)は定義極限による解法と対数のはさみうちを併記した。数値的にも (24/25)56>0.1>(24/25)57 で,公式略解の57と e−2 に一致する。
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出典: 熊本大学 令和8年度一般選抜(前期日程)数学3(公式問題・略解・出題意図)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。