Evolton

熊本大学 2026年度 前期数学③ 第2問

m2 以上の整数として,毎回 1m の確率で当たりの出るくじを n 回引く。このとき,1 回も当たりを引かない確率を pm,n とする。以下の問いに答えよ。ただし,0.30102<log102<0.30103,0.47712<log103<0.47713であることを用いてよい。

(問1) pm,nm,n を用いて表せ。

(問2) p25,n<0.1 となる最小の n を求めよ。

(問3) limmpm,2m を求めよ。ただし,limk(1+1k)k=e(自然対数の底)を用いてよい。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率指数・対数関数 独立性の利用、範囲評価、極限計算

方針

当たりを引かない確率を1回ごとの確率の積で表す。m=25 では常用対数を取り,nlog10(25/24)>1 に直して与えられた log102,log103 の範囲評価で n=56,57 を判定する。極限は (11/m)m を自然対数の底の定義に帰着させる。

解答

(問1)
1回のくじで当たりを引かない確率は 11m である。各回は同じ確率で行われるからpm,n=(11m)nである。

(問2)p25,n=(2425)nであるから,p25,n<0.1(2524)n>10と同値である。常用対数をとるとnlog102524>1である。ここでlog102524=25log102log103であるから,条件より0.01772<log102524<0.01778である。したがって570.01772=1.01004>1より n=57 は条件を満たす。一方,560.01778=0.99568<1より n=56 は条件を満たさない。よって求める最小の n57である。

(問3)pm,2m=(11m)2mである。k=m1 とおくと(11m)m=(1+1k)m={(1+1k)k}m/kである。m のとき k かつ m/k1 であるからlimm(11m)m=1eである。したがってlimmpm,2m=(1e)2=1e2である。

別解

解法2(問3:対数のはさみうち)

方針

pm,2m の自然対数を取り,0<t<1 に対する標準不等式 t/(1t)log(1t)t を使って極限をはさむ。

解答

(問3)
0<t<1 に対してt1tlog(1t)tが成り立つ。これは両辺との差を微分すれば確認できる。t=1/m として 2m 倍すると2mm12mlog(11m)2.左右はともに 2 に収束するからlogpm,2m=2mlog(11m)2.指数関数の連続性よりlimmpm,2m=e2=1e2である。

総評

難度5,計算量4,想定時間15分。公式の出題意図は,独立試行の乗法,常用対数による最小整数の判定,(1+1/k)k の極限の運用である。(問2)では下界で57が条件を満たし,上界で56が満たさないことを別々に示すのが要点。(問3)は定義極限による解法と対数のはさみうちを併記した。数値的にも (24/25)56>0.1>(24/25)57 で,公式略解の57と e2 に一致する。

冊子PDFで見る熊本大学の確率の問題で問題集を作る

出典: 熊本大学 令和8年度一般選抜(前期日程)数学3(公式問題・略解・出題意図)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。