方針
(1) (2)は3次関数の変曲点対称を座標計算で示す。 とおいて を計算し、 の奇関数になることを確認する。(3)は直線 の法線ベクトルが であることを使い、点から直線へ下ろした垂線方向に2倍戻す。(4)では(3)の反射公式をグラフ上の点 に適用する。 なら反射後の が の3次式になり、 とすると9次の項が出て矛盾する。、 も個別に退ける。
解答
(1)
点 の に関する対称点を とする。 は2点の中点だから である。よって である。
(2) とおく。 として とおくと である。 より なので となり、これは の奇関数である。
したがって である。これはグラフ上の点 と が に関して対称であることを意味する。よって はこの点に関して点対称である。
(3)
直線 の法線方向は である。点 からこの直線へ向かう法線方向の成分は である。反射点は、この法線方向の成分を2倍引いた点なので である。したがって対称点はである。整理するととなる。
(4) とする。仮に が直線 に関して線対称であるとする。グラフ上の任意の点 の対称点を とすれば、その点も 上にあるので でなければならない。
まず とする。(3)の公式より である。 は3次式であり、 だから、 は の3次式である。一方 は高々3次式である。ところが は、 が3次式であるため、最高次に9次の項をもつ。この9次の係数は0でない。これは が成り立つことに反する。
次に のとき、反射軸は である。すると の対称点は であり、これが常にグラフ上にあるには がすべての で成り立つ必要がある。しかし3次関数 は恒等的に0ではないので不可能である。
最後に のとき、反射軸は である。すると が常にグラフ上にある必要があり、 がすべての で成り立つはずである。しかし には の項が残るため、恒等的に0にはならない。
以上より、 は原点を通るどんな直線に関しても線対称でない。
別解
解法2
方針
直線への反射を、もとの位置ベクトルから法線方向の成分を2倍差し引く操作として表す。(4)では、
非鉛直・非水平な軸なら反射後の横座標が元の縦座標を含むため3次式となり、
3次グラフへ再代入すると9次が生じることを係数で比較する。
解答
(1)
中点条件から対称点はである。
(2)
とすればは奇関数である。よって中心 に関して点対称である。
(3)
法線単位ベクトルをとする。反射は位置ベクトル から
法線成分を2倍引く変換である。したがって対称点は(4)
なら、 の反射後の横座標 は
最高次係数 の3次式である。
よって は9次式だが、反射後の縦座標 は高々3次式であり、
は恒等的には成り立たない。
なら軸は で、線対称には が必要となり不可能。
なら軸は で、 が必要だが
3次項の符号が反対になる。以上より該当する直線はない。
総評
3次関数の点対称性と、一般の直線に関する反射公式を扱う問題。難度は高め、計算量も多めで、目安時間は25〜30分。(2)では変曲点を中心に置くと奇関数型になることを計算で示すのが基本である。(3)は法線方向の成分を2倍引くという幾何を式に落とせばよい。(4)は抽象的に見えるが、(3)の公式をグラフ上の点に代入し、次数の矛盾を見ると明確に片付く。 の場合だけでなく、反射軸が座標軸になる 、 の場合を忘れないことが重要である。