方針
近似式を書くだけでは,すべてのx≥0で成り立つ不等式の証明にならない。
差の関数を作り,その導関数が0からどちらへ変わるかを順に調べる。
導関数の符号を引き継ぎ,極限を二つの式で挟む
F(x)=sinx−x+x3/6についてF′′′=1−cosx≥0。
F′′,F′,Fの0での値はすべて0なので,順に非負となる。
(3)の差GはG′′=Fとなるため,(1)を再利用できる。
(2) ではsinx≤xも使う。sinan=1/nを代入し,
1−an2/6≤1/(nan)≤1と挟む。
問題文の開区間にはn=1の解がないため,この極限はn≥2の解について調べる。
初めの有限個の項は,n→∞の極限を左右しない。
(4) では,(1)と(3)からx−sinxをx3/6の前後に挟む。
bn3で割ると,1/(nbn3)が1/6へ近づくことが分かる。
どちらの極限も,問題文で使用を認められたan,bn→0を使う。
解答
F(x)=sinx−x+x3/6とおく。
F′′′(x)=1−cosx≥0,F′′(0)=0だから,x≥0でF′′(x)≥0。
同様にF′(0)=F(0)=0から,順にF′(x)≥0,F(x)≥0となる。
よって求める不等式が成り立つ。
n≥2について考える。x−sinxの導関数は1−cosx≥0なので,x≥0でsinx≤x。
(1)と合わせてan−6an3≤n1≤an.an>0で割ると1−6an2≤nan1≤1.an→0より1/(nan)→1である。したがってn→∞limnan=1.G(x)=x−x3/6+x5/120−sinxとおく。G′′(x)=−x+6x3+sinx=F(x)≥0.G′(0)=G(0)=0だから,x≥0でG′(x)≥0,G(x)≥0となる。
よって求める不等式が成り立つ。
(1) ,(3)をx=bnへ適用すると6bn3−120bn5≤bn−sinbn=n1≤6bn3.bn3>0で割れば61−120bn2≤nbn31≤61.bn→0より1/(nbn3)→1/6なのでn→∞limnbn3=6.
別解
別解・背景
方針
解答
(2) はnan=an/sinanと書けるため,
limx→0sinx/x=1からも直ちに求められる。
(4)では,二つの不等式によってx→0+limx3x−sinx=61を高校数学の微分とはさみうちだけで証明している。
(4) からn1/3bn→36も従う。
(2)のanはn−1,(4)のbnはn−1/3の大きさで0へ近づく。
総評
前の小問の差を次の小問の導関数として使う。数列の定義式を不等式へ代入した後、正の項で割ると極限を挟める。逆数の極限では、挟んだ極限値が0でないことも確かめる。
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出典: 九州大学 2026年度 後期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。