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九州大学 2026年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

以下の問いに答えよ。

(1) x≥0における任意のxに対して,sin⁡x≥x−x36が成り立つことを示せ。

(2) 自然数nに対して,実数anを0<x<π2におけるxについての方程式
sin⁡x=1nの解とする。lim⁡n→∞nanを求めよ。
必要ならば,lim⁡n→∞an=0を証明なしで用いてよい。

(3) x≥0における任意のxに対して,sin⁡x≤x−x36+x5120が成り立つことを示せ。

(4) 自然数nに対して,実数bnをx>0におけるxについての方程式
x−sin⁡x=1nの解とする。lim⁡n→∞nbn3を求めよ。
必要ならば,lim⁡n→∞bn=0を証明なしで用いてよい。

難易度5/ 10計算量3/ 10

微分、三角関数、数列、論証・証明 不等式評価、はさみうち、小問利用

方針

近似式を書くだけでは,すべてのx≥0で成り立つ不等式の証明にならない。
差の関数を作り,その導関数が0からどちらへ変わるかを順に調べる。
導関数の符号を引き継ぎ,極限を二つの式で挟む
F(x)=sin⁡x−x+x3/6についてF′′′=1−cos⁡x≥0。
F′′,F′,Fの0での値はすべて0なので,順に非負となる。
(3)の差GはG′′=Fとなるため,(1)を再利用できる。

(2) ではsin⁡x≤xも使う。sin⁡an=1/nを代入し,
1−an2/6≤1/(nan)≤1と挟む。
問題文の開区間にはn=1の解がないため,この極限はn≥2の解について調べる。
初めの有限個の項は,n→∞の極限を左右しない。

(4) では,(1)と(3)からx−sin⁡xをx3/6の前後に挟む。
bn3で割ると,1/(nbn3)が1/6へ近づくことが分かる。
どちらの極限も,問題文で使用を認められたan,bn→0を使う。

解答

F(x)=sin⁡x−x+x3/6とおく。
F′′′(x)=1−cos⁡x≥0,F′′(0)=0だから,x≥0でF′′(x)≥0。
同様にF′(0)=F(0)=0から,順にF′(x)≥0,F(x)≥0となる。
よって求める不等式が成り立つ。

n≥2について考える。x−sin⁡xの導関数は1−cos⁡x≥0なので,x≥0でsin⁡x≤x。
(1)と合わせてan−an36≤1n≤an.an>0で割ると1−an26≤1nan≤1.an→0より1/(nan)→1である。したがってlim⁡n→∞nan=1.G(x)=x−x3/6+x5/120−sin⁡xとおく。G′′(x)=−x+x36+sin⁡x=F(x)≥0.G′(0)=G(0)=0だから,x≥0でG′(x)≥0,G(x)≥0となる。
よって求める不等式が成り立つ。

(1) ,(3)をx=bnへ適用するとbn36−bn5120≤bn−sin⁡bn=1n≤bn36.bn3>0で割れば16−bn2120≤1nbn3≤16.bn→0より1/(nbn3)→1/6なのでlim⁡n→∞nbn3=6.

別解

別解・背景

方針

三角関数の基本極限と、二つの数列の収束の速さ。

解答

(2) はnan=an/sin⁡anと書けるため,
lim⁡x→0sin⁡x/x=1からも直ちに求められる。
(4)では,二つの不等式によってlim⁡x→0+x−sin⁡xx3=16を高校数学の微分とはさみうちだけで証明している。

(4) からn1/3bn→63も従う。
(2)のanはn−1,(4)のbnはn−1/3の大きさで0へ近づく。

総評

前の小問の差を次の小問の導関数として使う。数列の定義式を不等式へ代入した後、正の項で割ると極限を挟める。逆数の極限では、挟んだ極限値が0でないことも確かめる。

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出典: 九州大学 2026年度 後期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。