Evolton

名古屋大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

xy 平面上で、原点を1つの頂点とし y0 の部分にある正方形のうち、1次変換(xy)=(7335)(xy)によって長方形にうつされるものを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安21

行列ベクトル 内積の利用ベクトル成分計算図形的解釈

方針

正方形の隣り合う2辺を、方向角 θ の互いに垂直な単位ベクトルで表す。変換後の2辺の内積を計算し、長方形になるための直交条件から 2θ を決める。

解答

変換行列をM=(7335)とする。正方形の隣り合う辺の単位方向ベクトルをu=(cosθ,sinθ),v=(sinθ,cosθ)とおく。変換後が長方形となる条件は(Mu)(Mv)=0である。M は対称でM2=(5212312328)だから、左辺を計算すると123cos2θ12sin2θ.したがってtan2θ=3,θ=π6+kπ2(kZ).よって2辺はe1=(32,12),e2=(12,32)の方向である。原点から両方とも上向きに取れば正方形全体が y0 に入る。

したがって、任意の λ>0 に対し、4頂点がO,λe1,λe2,λ(e1+e2)である正方形が答えである。

別解

解法2(倍率が保たれる2方向を見つける)

方針

係数の 3 から角 30 の2方向を試す。互いに垂直な2ベクトルがそれぞれ定数倍されることを直接確認すれば、その方向を辺にもつ正方形は長方形へ移る。逆に他の方向では像の2辺が直交しないことを示す。

解答

互いに垂直な単位ベクトルe1=(32,12),e2=(12,32)を取る。直接計算するとMe1=8e1,Me2=4e2.したがって、この2方向を辺にもつ一辺 λ の正方形は、辺長 8λ4λ の長方形へ移る。

他の方向がないことも確かめる。正方形の辺方向をu=cosϕe1+sinϕe2,v=sinϕe1+cosϕe2とすると(Mu)(Mv)=(4282)sinϕcosϕ.これが0となるのは ϕπ/2 の整数倍のときだけである。よって辺方向は e1,e2 に限られる。

以上より、4頂点がO,λe1,λe2,λ(e1+e2)(λ>0)である正方形がすべてである。

総評

一次変換後の直交条件から正方形の向きを決める問題。目安時間は21分。辺長は任意で、求めるのは向きと頂点表示である。方向角の内積計算と、倍率8・4が保たれる2方向による方法を照合し、必要十分性まで確認した。

冊子PDFで見る名大の行列の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。