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大阪大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

平行でない2直線l1:p1x+q1y+1=0l2:p2x+q2y+1=0と,1次変換fが与えられている.
fl1l2にうつしl2l1にうつす変換であるとき,
合成変換ffは恒等変換であることを示せ.

難易度7/ 10計算量4/ 10目安20

行列図形と方程式論証・証明 同値変形、図形的解釈必要十分条件

方針

直線を Li(X)=1 と書けるように、Li(x,y)=pix+qiy とおく。f が2直線を入れ替えることから、L2(f(X))L1(X)L1(f(X))L2(X) がそれぞれ全平面で 0 になることを示す。最後に、l1,l2 が平行でないので L1,L2 の2つの値が点を一意に決めることを用いる。

解答

X=(x,y) に対して L1(X)=p1x+q1y,L2(X)=p2x+q2y とおく。すると l1: L1(X)=1,l2: L2(X)=1 である。 fl1l2 にうつすので、Xl1 なら f(X)l2 である。つまり L1(X)=1 を満たすすべての点 X について L2(f(X))=1 が成り立つ。よって L2(f(X))L1(X)=0 が直線 l1 上のすべての点で成り立つ。

ここで L2(f(X))L1(X)x,y の一次式で、定数項をもたない。もしこれが零でない一次式なら、その値が 0 になる点全体は原点を通る直線である。しかし l1p1x+q1y+1=0 で表されるので原点を通らない。したがって、上の一次式は恒等的に 0 であり、L2(f(X))=L1(X) がすべての点 X で成り立つ。

同様に、fl2l1 にうつすことから L1(f(X))=L2(X) もすべての点 X で成り立つ。

したがって任意の点 X について L1(f(f(X)))=L2(f(X))=L1(X) かつ L2(f(f(X)))=L1(f(X))=L2(X) である。

最後に、l1l2 は平行でないから、係数の組 (p1,q1),(p2,q2) は比例しない。したがって、L1L2 の値がともに等しい2点は同じ点である。よって f(f(X))=X がすべての点 X で成り立つ。

したがって合成変換 ff は恒等変換である。

交点 C は固定され、2方向は互いに入れ替わる

別解

解法2

方針

2直線の交点 C と、それぞれの方向ベクトル u,v を使う。
f が直線を入れ替えることから C は固定され、u,v
定数倍を伴って交換される。C の2方向への分解を比較し、
2つの倍率の積が1になることを示す。

解答

l1,l2 の交点を C とする。f(C)l2 上にも
l1 上にもあるからf(C)=C.l1,l2 の方向ベクトルをそれぞれ u,v とする。
一次変換は直線の方向も移すので、0でない実数 α,β があってf(u)=αv,f(v)=βuと書ける。

u,v は平行でないので、C=au+bv と一意に表せる。
l1,l2 はどちらも原点を通らないから a,b0 である。
f(C)=C を用いるとaαv+bβu=au+bv.係数を比較してbβ=a,aα=bとなり、αβ=1 を得る。よってf(f(u))=αβu=u,f(f(v))=αβv=v.u,v は平面の全てのベクトルを表す基準になるので、
ff は恒等変換である。

総評

一次変換そのものを行列で成分計算するより、直線を決める一次式 L1,L2 の値を追うと見通しがよい。目安時間は20分。原点を通らない条件で一次式の恒等性を出し、2直線が平行でない条件で点の一致を結論する。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 大阪大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。