方針
直線を と書けるように、 とおく。 が2直線を入れ替えることから、 と がそれぞれ全平面で になることを示す。最後に、 が平行でないので の2つの値が点を一意に決めることを用いる。
解答
点 に対して とおく。すると である。 が を にうつすので、 なら である。つまり を満たすすべての点 について が成り立つ。よって が直線 上のすべての点で成り立つ。
ここで は の一次式で、定数項をもたない。もしこれが零でない一次式なら、その値が になる点全体は原点を通る直線である。しかし は で表されるので原点を通らない。したがって、上の一次式は恒等的に であり、 がすべての点 で成り立つ。
同様に、 が を にうつすことから もすべての点 で成り立つ。
したがって任意の点 について かつ である。
最後に、 と は平行でないから、係数の組 は比例しない。したがって、 と の値がともに等しい2点は同じ点である。よって がすべての点 で成り立つ。
したがって合成変換 は恒等変換である。
交点 は固定され、2方向は互いに入れ替わる
別解
解法2
方針
2直線の交点 と、それぞれの方向ベクトル を使う。
が直線を入れ替えることから は固定され、 は
定数倍を伴って交換される。 の2方向への分解を比較し、
2つの倍率の積が1になることを示す。
解答
の交点を とする。 は 上にも
上にもあるから の方向ベクトルをそれぞれ とする。
一次変換は直線の方向も移すので、0でない実数 があってと書ける。
は平行でないので、 と一意に表せる。
はどちらも原点を通らないから である。
を用いると係数を比較してとなり、 を得る。よって は平面の全てのベクトルを表す基準になるので、
は恒等変換である。
総評
一次変換そのものを行列で成分計算するより、直線を決める一次式 の値を追うと見通しがよい。目安時間は20分。原点を通らない条件で一次式の恒等性を出し、2直線が平行でない条件で点の一致を結論する。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。