Evolton

大阪大学 2001年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

座標平面上において、点 P と点 Q は時刻 0 から π まで、次の条件に従って動く。

P は点 A(1,0) を出発し、原点 O を中心とする半径1の円周上を時計回りに動く。ただし、時刻 tPPOA=t(0tπ)を満たす。点 P を通り x 軸に垂直な直線が直線 y=1 と交わる点を H とする。

QP のまわりを反時計回りにPQ=t(0tπ),HPQ=t(0<tπ)を満たすように動く。時刻 π における Q の位置を B とする。次の問いに答えよ。

(1) 時刻 t における Q の座標を (x,y) とする。xyt で表し、yt について単調に増加することを示せ。

(2) 時刻 jπ6(j+1)π6 の間で Qx 座標が最大値をとるように整数 j を定めよ。

(3)A を通り y 軸に平行な直線、点 B を通り x 軸に平行な直線、および Q の軌跡で囲まれた部分の面積 S を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

三角関数微分積分 パラメータ処理、増減表面積計算、部分積分

方針

P=(cost,sint) と置く。下向きの PH を反時計回りに t 回した単位方向ベクトルは (sint,cost) なので Q が得られる。(2)は x の零点を六等分区間で挟む。(3)は y の単調性を使い S=(x+1)dy とする。

解答

(1) 時計回りの運動よりP=(cost,sint).PH は鉛直下向きであり、これを反時計回りに角 t 回した単位ベクトルは (sint,cost) である。PQ=t だからQ=P+t(sint,cost).従ってx=cost+tsint,y=sinttcost.微分するとy=tsint0(0tπ),しかも 0<t<π では正だから、y は単調に増加する。

(2) x=2sint+tcost.0<tπ/2 では x>0 である。π/2<t<π ではx=3costtsint<0なので x は狭義単調減少する。またx(2π3)=3π3>0,x(5π6)=153π12<0.従って x=0 となる点はただ1つで4π6<t<5π6にある。この点で x は最大となるからj=4.(3) 時刻 π では B=(1,π) である。(1)より y は0から π まで単調に増え、軌跡は鉛直線 x=1 の右側にある。従ってS=0π(x+1)dy=0π{cost+tsint+1}tsintdt.これを0πtsintdt0πtsintcostdt+0πt2sin2tdtに分ける。部分積分と sin2t=(1cos2t)/2 より、それぞれπ,π4,π36π4である。従ってS=π(π4)+π36π4=π+π36.

別解

解法2(閉曲線の線積分で面積を出す)

方針

座標と最大時刻の判定は速度ベクトルから行う。(3)では軌跡を A から B へたどり、上側の水平線と左側の鉛直線で閉じる。面積を ydx として計算すれば、主解法の (x+1)dy とは別の積分になる。

解答

(1)

単位円上を左端から時計回りに進むのでP=(cost,sint).下向きの単位ベクトルを反時計回りに t だけ回すと (sint,cost) になる。従ってQ=P+t(sint,cost),すなわちx=cost+tsint,y=sinttcost.ここでdydt=tsint0,しかも 0<t<π では正だから、y は単調に増加する。

(2) dxdt=2sint+tcost.0<tπ/2 ではこれは正である。また π/2<t<π ではd2xdt2=3costtsint<0だから、dx/dt は狭義単調減少する。さらにdxdtt=2π/3=3π3>0,dxdtt=5π/6=153π12<0.よって最大時刻は4π6<t<5π6にあり、j=4.(3)

B=(1,π) である。軌跡を A から B へたどり、B から (1,π) へ水平に戻り、最後に A へ下る向きは正の向きである。従ってS=ydx=2π0πy(t)x(t)dt.ここでyx=(sinttcost)(2sint+tcost)=2sin2ttsintcostt2cos2t.部分積分と半角公式により0π2sin2tdt=π,0πtsintcostdt=π4,0πt2cos2tdt=π36+π4.よって0πy(t)x(t)dt=ππ36.以上からS=2π(ππ36)=π+π36.

総評

難度7、計算量7。想定時間は30分程度。時計回りでも左端からは上半円へ進むため、P=(cost,sint) の符号に注意する。(2)は最大時刻そのものを解く必要はなく六等分点で挟めばよい。(3)は y の単調性から横幅を積分する。

冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2001年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。