方針
g(x)=f(x)2+f(1−x)2 を微分し、条件 f′(x)=af(1−x) と、x を 1−x に置き換えた式 f′(1−x)=af(x) を使って g′(x)=0 を示す。最大値条件から f(0)=2、さらに f′(0)=0 を使って f(1)=0 を得る。最後は g(x)=4 を積分し、x と 1−x の置換で同じ積分が2つ出ることを使う。
解答
(1) g(x)=f(x)2+f(1−x)2 である。これを微分すると g′(x)=2f(x)f′(x)−2f(1−x)f′(1−x) である。
条件より f′(x)=af(1−x) である。また、この式の x に 1−x を代入すると f′(1−x)=af(x) である。したがって g′(x)=2f(x)af(1−x)−2f(1−x)af(x)=0 となる。よって g(x) は x によらない定数である ことが分かる。
(2) f(x) は x=0 で最大値2をとるので f(0)=2 である。また微分可能で、x=0 で最大をとるから f′(0)=0 である。条件式に x=0 を代入すると f′(0)=af(1) であり、a=0 だから f(1)=0 である。
(1) より g(x) は定数なので g(x)=g(0)=f(0)2+f(1)2=22+02=4 である。したがって g(x)=4 である。
(3)
(2) より、すべての x について f(x)2+f(1−x)2=4 である。これを 0 から 1 まで積分すると ∫01f(x)2dx+∫01f(1−x)2dx=4 である。第2項で u=1−x と置換すると ∫01f(1−x)2dx=∫01f(u)2du である。したがって 2∫01f(x)2dx=4 となるので ∫01f(x)2dx=2 である。
保存される二乗和
別解
解法2
方針
f(1−x)=f′(x)/a と書き、対称な二乗和を f と f′ の保存量へ変える。2階微分方程式を介して保存を示し、端点条件と対称積分で値を決める。
解答
(1)
条件式をもう一度微分するとf′′(x)=−af′(1−x)=−a2f(x).またf(1−x)=af′(x)だからg(x)=f(x)2+a2f′(x)2.これを微分するとg′(x)=2f(x)f′(x)+a22f′(x)f′′(x)=0.よって g は一定である。
(2)
x=0 で最大値2を取るのでf(0)=2,f′(0)=0.したがってg(x)=g(0)=4.(3)
これを 0 から 1 まで積分すると∫01f(x)2dx+∫01f(1−x)2dx=4.置換 u=1−x により2つの積分は等しいので∫01f(x)2dx=2.
総評
対称な微分条件から保存される量を作る問題。目安時間は20分前後。g′(x) の計算では、f(1−x) の微分に負号が出る点と、f′(1−x)=af(x) を使う点が重要である。最大値条件から f′(0)=0、さらに a=0 より f(1)=0 を導く流れも採点点になる。(3)は置換で2つの積分が等しいことを明示すれば短くまとまる。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。
冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。