Evolton

東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

微分可能な関数f(x)が,
ある定数a0に対してf(x)=af(1x)を満たし,
x=0で最大値2をとるとする.
g(x)={f(x)}2+{f(1x)}2とおく.

(1) g(x)xによらない定数であることを示せ.

(2) g(x)を求めよ.

(3) 積分01{f(x)}2dxの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安20

微分積分 対称性の利用定積分評価、式変形

方針

g(x)=f(x)2+f(1x)2 を微分し、条件 f(x)=af(1x) と、x1x に置き換えた式 f(1x)=af(x) を使って g(x)=0 を示す。最大値条件から f(0)=2、さらに f(0)=0 を使って f(1)=0 を得る。最後は g(x)=4 を積分し、x1x の置換で同じ積分が2つ出ることを使う。

解答

(1) g(x)=f(x)2+f(1x)2 である。これを微分すると g(x)=2f(x)f(x)2f(1x)f(1x) である。

条件より f(x)=af(1x) である。また、この式の x1x を代入すると f(1x)=af(x) である。したがって g(x)=2f(x)af(1x)2f(1x)af(x)=0 となる。よって g(x) は x によらない定数である ことが分かる。

(2) f(x)x=0 で最大値2をとるので f(0)=2 である。また微分可能で、x=0 で最大をとるから f(0)=0 である。条件式に x=0 を代入すると f(0)=af(1) であり、a0 だから f(1)=0 である。

(1) より g(x) は定数なので g(x)=g(0)=f(0)2+f(1)2=22+02=4 である。したがって g(x)=4 である。

(3)

(2) より、すべての x について f(x)2+f(1x)2=4 である。これを 0 から 1 まで積分すると 01f(x)2dx+01f(1x)2dx=4 である。第2項で u=1x と置換すると 01f(1x)2dx=01f(u)2du である。したがって 201f(x)2dx=4 となるので 01f(x)2dx=2 である。

保存される二乗和

別解

解法2

方針

f(1x)=f(x)/a と書き、対称な二乗和を ff の保存量へ変える。2階微分方程式を介して保存を示し、端点条件と対称積分で値を決める。

解答

(1)
条件式をもう一度微分するとf(x)=af(1x)=a2f(x).またf(1x)=f(x)aだからg(x)=f(x)2+f(x)2a2.これを微分するとg(x)=2f(x)f(x)+2f(x)f(x)a2=0.よって g は一定である。

(2)
x=0 で最大値2を取るのでf(0)=2,f(0)=0.したがってg(x)=g(0)=4.(3)
これを 0 から 1 まで積分すると01f(x)2dx+01f(1x)2dx=4.置換 u=1x により2つの積分は等しいので01f(x)2dx=2.

総評

対称な微分条件から保存される量を作る問題。目安時間は20分前後。g(x) の計算では、f(1x) の微分に負号が出る点と、f(1x)=af(x) を使う点が重要である。最大値条件から f(0)=0、さらに a0 より f(1)=0 を導く流れも採点点になる。(3)は置換で2つの積分が等しいことを明示すれば短くまとまる。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。

冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。