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東北大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

A=(abcd)は実数を成分とする行列であり,
実数s,正の実数tおよび2次正方行列Bがあって,次を満たすとする.A=sE+tB,B2=EここでE=(1001)である.

(1) 不等式(ad)2+4bc<0がなりたつことを示せ.
また,sおよびtabcdを用いてそれぞれ表せ.

(2) 複素数s+itを解にもつ実数係数の2次方程式x2+px+q=0を考える.pおよびqabcdを用いてそれぞれ表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列複素数平面 計算整理、必要十分条件、実部虚部比較

方針

まず B=(u v;w r) とおいて B2=E を直接計算し、対角成分の和が0であることを示す。すると A=sE+tB の対角成分の和から s=(a+d)/2 が決まる。次に M=AsE と置くと M=tB なので M2=t2E であり、これを成分計算して t2 と不等式を得る。(2)は実数係数の2次方程式なので、s+itsit を根にもつことから係数を読む。

解答

(1)
まず B=(uvwr) とおく。B2=E の非対角成分から v(u+r)=0,w(u+r)=0 が得られ、対角成分の差から (ur)(u+r)=0 が得られる。もし u+r0 なら、上の式より v=w=0 かつ u=r となるが、このとき対角成分は u2=1 となり、実数では不可能である。したがって u+r=0 である。つまり、B の対角成分の和は0である。 A=sE+tB の対角成分の和を比べると、B の対角成分の和が0だから a+d=2s である。よって s=a+d2 である。

次にM=AsE=(ad2bcda2)とおくと、M=tB であるから M2=t2B2=t2E である。一方、α=(ad)/2 とおけばM=(αbcα)であり、直接計算して M2=(α2+bc)E となる。したがって α2+bc=t2 である。すなわち t2={(ad)24+bc}=(ad)2+4bc4 である。t は正の実数なので右辺は正であり、(ad)2+4bc<0 が成り立つ。また t=12(ad)24bc である。

(2)
実数係数の2次方程式が s+it を解にもつなら、sit も解にもつ。したがってその方程式は (x(s+it))(x(sit))=0 すなわち x22sx+s2+t2=0 である。よって p=2s=(a+d) である。また q=s2+t2=(a+d)24(ad)2+4bc4=adbc である。したがって p=(a+d),q=adbc である。

条件・検算

実行列 B の跡が0であることを例外なく示し、t>0 により平方根の符号を確定した。

総評

難度6、計算量5。目安時間は28〜32分。行列の問題だが、特別な理論を使う必要はなく、B2=E を成分で丁寧に計算すれば進む。最も大事なのは、B の対角成分の和が0であることを実数条件込みで示す点である。そこを飛ばして s=(a+d)/2 を書くと根拠が弱い。(1)の不等式は t>0 から右辺が正でなければならない、という形で出る。(2)では s+it だけでなく sit も解になることを明記し、q=s2+t2 の整理で adbc まで落とし切るのが採点上のポイントである。

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出典: 東北大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。