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東京大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

Cを半径1の円周とし,AC上の1点とする。
3点PQRAを時刻t=0に出発し,
C上を各々一定の速さで,PQは反時計回りに,Rは時計回りに,時刻t=2πまで動く。
PQRの速さは,それぞれm,1,2であるとする。
したがって,QCをちょうど一周する。
ただし,m1m10をみたす整数である。
PQRPRを斜辺とする直角二等辺三角形となるような速さmと時刻tの組をすべて求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28

三角関数図形と方程式整数 円の性質回転・拡大、剰余分類、場合分け

方針

円周上の位置を出発点 A からの偏角で表す。時刻 t における偏角は P,Q,R でそれぞれ mt,t,2t である。PR が斜辺の直角二等辺三角形になるには,PR が円の直径の両端で,かつ QP から円周上で 90 ずれた点であることが必要十分である。この2条件を角度の合同式にし,1m10 の整数について有限確認する。

解答

出発点 A の偏角を0とする。時刻 t における P,Q,R の偏角は,反時計回りを正として mt,t,2t である。

PQRPR を斜辺とする直角二等辺三角形である条件を円周上の角度で表す。まず,円周上の点 QPQR=90 となるためには,PR が直径であればよい。したがって PR の偏角の差は奇数倍の π であり,mt(2t)=(m+2)t=(2r+1)π と書ける。

さらに,QP=QR でなければならない。PR が直径の両端であるとき,円周上で P,R から等距離にある点は,P から偏角で π/2 または 3π/2 だけ離れた点である。したがって tmtπ2(modπ) であり,整数 s を用いて (m1)t=2s+12π と書ける。

よって必要十分条件は (m+2)t=(2r+1)π,(m1)t=2s+12π である。第1式から t=(2r+1)πm+2 である。これを第2式に代入すると 2(m1)(2r+1)m+2 が奇数の整数でなければならない。

ここで 0<t<2π としてよい。t=0,2π では3点が出発点に重なり,三角形が退化するからである。したがって 0<2r+1<2(m+2) を満たす奇数 2r+1 だけを調べればよい。

q=2r+1 とおく。q0<q<2(m+2)を満たす奇数であり、2(m1)qm+2も奇数でなければならない。1m10 を既約化して調べるとm2(m1)qm+2条件を満たす q10なし2q2なし34q5なし4q1,3,5,7,9,1158q7なし65q4なし74q3なし87q55,15916q11なし103q2なしとなる。分母が q を割る場合でも、値が偶数になる行は除いている。

m=4 のとき,2(m1)(2r+1)m+2=6(2r+1)6=2r+1 であり,許される奇数 2r+1=1,3,5,7,9,11 のすべてが条件を満たす。よって t=(2r+1)π6 よりt=π6,π2,5π6,7π6,3π2,11π6である。

m=8 のとき,2(m1)(2r+1)m+2=14(2r+1)10=7(2r+1)5 である。これが奇数の整数となるには 2r+1 が5の倍数であり,許される範囲では 2r+1=5,15 である。したがって t=5π10=π2,t=15π10=3π2 である。

その他の m=1,2,3,5,6,7,9,10 では,上の分数が奇数の整数になる奇数 2r+1 は存在しない。

以上より求める組は(m,t)=(4,π6),(4,π2),(4,5π6),(4,7π6),(4,3π2),(4,11π6),(8,π2),(8,3π2)である。

直角二等辺になる配置

PR が直径で、Q がその垂直二等分線上の円周点にある。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安時間は28分程度で、円周上の運動を相対角速度の合同条件へ変換する問題である。直角条件は PR が直径、二等辺条件は Q がその垂直二等分線上の円周点にあることと読み替える。

最後の有限確認は「調べれば分かる」で済ませず、奇数 q に対する分数を m=1,,10 で既約化する。分母が割り切れても値が偶数になる行がある点と、t=0,2π では三角形が退化する点が主な落とし穴である。

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出典: 東京大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。