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北海道大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

行列A=(abcd)によって表される1次変換を f とする。ただし a,b,c,d は実数とする。f が次の条件を同時に満たすとき、行列 A を求めよ。

(イ) 行列 (1331) によって表される1次変換 g に対して、fg=gf が成り立つ。

(ロ) e=(10)f(e) のなす角が π/6 で、これらを2辺とする平行四辺形の面積が23である。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安27

行列ベクトル三角関数 恒等式比較回転・拡大図形的解釈

方針

条件(イ)は AG=GA を成分比較し、A の形を (abba) に絞る。条件(ロ)では f(e) が第1列 (a,b)T であることを使う。e との角が π/6 なので第1成分は正であり、面積条件から第2成分の絶対値が決まる。最後に b の符号が2通り残ることを確認する。

解答

条件(イ)に出てくる行列をG=(1331)とおく。条件(イ)は AG=GA である。両辺を成分で計算するとAG=(a+3b3a+bc+3d3c+d)であり、GA=(a3cb3d3a+c3b+d)である。したがって成分比較より a+3b=a3c,3a+b=b3d などを得る。これらから c=b,d=a である。よってA=(abba)と書ける。

次に条件(ロ)を用いる。e=(1,0)T であるからf(e)=A(10)=(ab)である。ef(e) のなす角が π/6 なので、f(e) の第1成分は正であり a>0 である。また、ef(e) を2辺とする平行四辺形の面積はdet(1a0b)=bである。これが 2/3 だから b=23 である。

さらに、角が π/6 であることから tanπ6=ba である。したがって 13=ba となる。上で求めた b=2/3 を代入して a=2 を得る。 b の符号は2通りあるので、求める行列は(223232),(223232)である。

別解

解法2(複素数による回転の解釈)

方針

平面ベクトルを複素数とみなし、g1+3i 倍と読む。可換条件から f もある複素数倍となることを示し、角と平行四辺形の高さからその複素数を決める。

解答

平面ベクトル (x,y) を複素数 x+iy とみなす。このとき g1+3i を掛ける変換である。

w=f(1) と置く。1g(1)=1+3i は実ベクトルとして一次独立である。また fg=gf よりf(1+3i)=(1+3i)w.したがって任意の実数 r,s に対してf{r+s(1+3i)}=w{r+s(1+3i)}.ゆえに f は複素数 w を掛ける変換である。

1w のなす角は π/6 だから、w の偏角は ±π/6 である。平行四辺形の面積は底辺1、高さ wsin(π/6) なのでwsinπ6=23.よって w=4/3 であり、w=2±23i.複素数 α+iβ を掛ける変換の行列は(αββα)だから、求める行列は(223232),(223232)である。

総評

可換な1次変換と幾何条件を組み合わせる問題。目安27分。原問題が行列を明示するため行列を使用した。成分比較と複素数による回転解釈が独立した検算になる。角が向きを指定しないため、符号が2通り残る。

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出典: 北海道大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。