Evolton

名古屋大学 2005年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

四角形ABCDにおいて,AB=4,BC=5,CD=t,DA=3t(0<t<3)とする.四角形ABCDは外接円を持つとする.つぎの各問に答えよ.

(1) cosCtで表せ.

(2) 四角形ABCDの面積Stで表せ.

(3) Sの最大値と,そのときのtの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

図形と方程式三角関数微分 円の性質三角比の利用微分による最大最小

方針

四角形が円に内接するので,対角の和は π であり,cosA=cosC が使える。対角線 BD を,三角形 BCD と三角形 BAD の両方から余弦定理で表し,それらを等置して cosC を求める。面積は2つの三角形の和として sinC をくくり,(1)の結果から t だけの式にする。最後は S ではなく S2 を最大化すれば平方根を避けられる。

解答

(1) C=CA=A とおく。四角形 ABCD は円に内接するので,対角の和は A+C=π である。したがって cosA=cos(πC)=cosC である。

対角線 BD に注目する。三角形 BCD で余弦定理を用いると BD2=BC2+CD22BCCDcosC=25+t210tcosC である。一方,三角形 BAD で余弦定理を用いるとBD2=AB2+AD22ABADcosA=16+(3t)224(3t)(cosC)=16+(3t)2+8(3t)cosCである。

これらを等しくして 25+t210tcosC=16+(3t)2+8(3t)cosC を得る。右辺の定数部分を整理すると 16+(3t)2=256t+t2 だから,25+t210tcosC=256t+t2+8(3t)cosC である。よって 6t=(24+2t)cosC となり,cosC=3tt+12 である。

(2)

四角形の面積 S は,三角形 BCD と三角形 BAD の面積の和である。したがってS=12BCCDsinC+12ABADsinA=125tsinC+124(3t)sinC=12(t+12)sinCである。ここで 0<t<3 より 0<C<π なので sinC>0 であり,sinC=1(3tt+12)2 と書ける。よってS=12(t+12)1(3tt+12)2=12(t+12)29t2である。

(3)

(2) より S2=14{(t+12)29t2} である。整理すると S2=2t2+6t+36 である。S>0 なので,S を最大にすることは S2 を最大にすることと同じである。

平方完成すると S2=2(t32)2+812 である。0<t<3 の範囲に t=32 は含まれるので,最大は t=32 のときである。このとき S2=812 だから Smax=922 である。

別解

解法2(内接四角形の面積公式)

方針

円に内接する四角形の面積について、半周長を使う公式を余弦定理と面積の和から導いて適用する。4辺の和が一定なので、平方完成だけで最大値まで求められる。

解答

(1)

A+C=π である。共有対角線 BD に余弦定理を用いて25+t210tcosC=16+(3t)2+8(3t)cosC.よってcosC=3tt+12.(2)

内接四角形の4辺を u,v,w,z、半周長を s とする。対角の和が π であることと、2つの三角形の余弦定理を用いるとS2=(su)(sv)(sw)(sz)が得られる。本問では(u,v,w,z)=(4,5,t,3t),s=6だからS2=(64)(65)(6t){6(3t)}=2(6t)(3+t).S>0 よりS=2(6t)(3+t).(3)S2=2(6t)(3+t)=2t2+6t+36=2(t32)2+812.0<t<3t=32 は含まれる。したがってt=32,Smax=812=922.

総評

難度6、計算量6。円に内接する四角形を2つの三角形に分け、共有対角線 BD と面積を使って整理する問題で、目安は22分程度である。(1)では A+C=π から cosA=cosC とする符号が最も重要である。(2)では面積を 12{5t+4(3t)}sinC とまとめると、t+12 が自然に出る。(3)は S2 を最大化すればよく、0<t<3 の中に頂点 t=32 が入っていることを確認する。

冊子PDFで見る名大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 2005年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。