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北海道大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

実数abcに対してf(x)=ax2+bx+cとおく.このとき次の2つの等式01f(x)(px+q)dx=12,11f(x)(px+q)dx=0を満たす実数pqが存在するためのabcの条件と,そのときのpqを求めよ.
ただし,f(x)f(x)の導関数である.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

微分積分数と式 定積分評価文字消去必要十分条件

方針

導関数は f(x)=2ax+b であり、定数項 c は最初から積分条件に現れない。2つの積分をそれぞれ計算すると、未知数 p,q についての連立一次方程式になる。したがって、係数行列の行列式が0でない場合は一意に解が存在し、0の場合は右辺 1/2,0 との整合性を確認する。最後に p,q をクラメルの公式または消去法で求め、c が任意であることも明記する。

解答

f(x)=ax2+bx+c であるから f(x)=2ax+b である。したがって定数項 c は2つの条件に現れない。

まず01(2ax+b)(px+q)dx=12を計算する。被積分関数を展開すると (2ax+b)(px+q)=2apx2+(2aq+bp)x+bq であるから、2a3p+2aq+bp2+bq=12 となる。すなわち
\begin{equation*}
\left(\dfrac{2a}{3}+\dfrac b2\right)p+(a+b)q=\dfrac12   (1)
\end{equation*}
である。

次に11(2ax+b)(px+q)dx=0を計算する。奇関数の項は積分すると0になるので、112apx2dx+11bqdx=0である。よって
\begin{equation*}
\dfrac{4a}{3}p+2bq=0   (2)
\end{equation*}
を得る。

したがって p,q は連立一次方程式{(2a3+b2)p+(a+b)q=12,4a3p+2bq=0を満たす必要がある。この係数行列の行列式を D とするとD=(2a3+b2)2b(a+b)4a3=(4ab3+b2)(4a23+4ab3)=b24a23=3b24a23. D0 なら連立方程式は一意に解をもつ。D=0 の場合を確認する。もし (a,b)=(0,0) なら(1)の左辺は0となり、0=1/2 で不可能である。(a,b)(0,0)D=0 なら、(1),(2)の左辺の係数は比例するが、右辺は 1/2 と0で比例しない。したがってこの場合も解は存在しない。

よって p,q が存在するための条件は D0 すなわち 4a23b20 である。c は任意の実数でよい。

この条件のもとで解を求める。クラメルの公式よりp=12a+b02bD=bD=3b3b24a2=3b4a23b2,またq=2a3+b2124a30D=2a3D=2a4a23b2.したがって p=3b4a23b2,q=2a4a23b2 である。

対称区間で偶奇を分離

別解

解法2

方針

二つ目の積分を、正側と負側の和として見る。正側の積分が 1/2、全体が0なので負側は 1/2 である。正側と、負側を xx で移した式との和・差から、偶数次部分と奇数次部分を分離して p,q の連立方程式を作る。

解答

正側の積分を J+、負側を J とするとJ+=12,J++J=0だから J=12 である。

f(x)=2ax+b であり、Jx=u を用いるとJ+=01(2au+b)(pu+q)du,J=01(2au+b)(pu+q)du.和と差を取れば4a3p+2bq=0,bp+2aq=1.この連立方程式の係数行列式は8a232b2=23(4a23b2)である。これが0なら、(a,b)=(0,0) の場合も含めて右辺 0,1 と両立しない。したがって必要十分条件は4a23b20であり、c は任意である。

この条件のもとで消去するとp=3b4a23b2,q=2a4a23b2を得る。

総評

難度5、計算量5。目安時間は16〜20分。ポイントは、積分問題に見えて実体は p,q の連立一次方程式であると見抜くことにある。cf(x) に出ないため条件から完全に消える。行列式が0でない場合だけを書いて終わると不十分で、行列式が0のときに右辺と整合しないため解がないことまで確認したい。積分では奇関数の項が [1,1] で消えることを使うと計算が整理される。

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出典: 北海道大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。