方針
導関数は であり、定数項 は最初から積分条件に現れない。2つの積分をそれぞれ計算すると、未知数 についての連立一次方程式になる。したがって、係数行列の行列式が0でない場合は一意に解が存在し、0の場合は右辺 との整合性を確認する。最後に をクラメルの公式または消去法で求め、 が任意であることも明記する。
解答
であるから である。したがって定数項 は2つの条件に現れない。
まずを計算する。被積分関数を展開すると であるから、 となる。すなわち
\begin{equation*}
\left(\dfrac{2a}{3}+\dfrac b2\right)p+(a+b)q=\dfrac12 (1)
\end{equation*}
である。
次にを計算する。奇関数の項は積分すると0になるので、である。よって
\begin{equation*}
\dfrac{4a}{3}p+2bq=0 (2)
\end{equation*}
を得る。
したがって は連立一次方程式を満たす必要がある。この係数行列の行列式を とすると なら連立方程式は一意に解をもつ。 の場合を確認する。もし なら(1)の左辺は0となり、 で不可能である。 で なら、(1),(2)の左辺の係数は比例するが、右辺は と0で比例しない。したがってこの場合も解は存在しない。
よって が存在するための条件は すなわち である。 は任意の実数でよい。
この条件のもとで解を求める。クラメルの公式よりまたしたがって である。
対称区間で偶奇を分離
別解
解法2
方針
二つ目の積分を、正側と負側の和として見る。正側の積分が 、全体が0なので負側は である。正側と、負側を で移した式との和・差から、偶数次部分と奇数次部分を分離して の連立方程式を作る。
解答
正側の積分を 、負側を とするとだから である。
であり、 に を用いると和と差を取ればこの連立方程式の係数行列式はである。これが0なら、 の場合も含めて右辺 と両立しない。したがって必要十分条件はであり、 は任意である。
この条件のもとで消去するとを得る。
総評
難度5、計算量5。目安時間は16〜20分。ポイントは、積分問題に見えて実体は の連立一次方程式であると見抜くことにある。 は に出ないため条件から完全に消える。行列式が0でない場合だけを書いて終わると不十分で、行列式が0のときに右辺と整合しないため解がないことまで確認したい。積分では奇関数の項が で消えることを使うと計算が整理される。