熊本大学 2018年度
文理共通数学 第3問(医学部医学科)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 医(医学科)学部
- 分野
- 複素数平面、図形と方程式
- 解法
- 複素数の極形式、軌跡、範囲評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 18分
問題
複素数平面上で
∣z+i∣−∣z−i∣=1
を満たす点 z の全体を H とおく。複素数の偏角 θ は
0≦θ<2π
の範囲でとるものとする。次の問いに答えよ。
(問1) H 上の点 z に対して、z の偏角 θ1 のとりうる値の範囲を求めよ。
(問2) H 上の点 z に対して
w=z1
とする。w の絶対値 r2 と偏角 θ2 のとりうる値の範囲をそれぞれ求めよ。
出典:熊本大学 2018年度 前期 文理共通 第3問
方針
解法1
z=r(cosθ+isinθ) とおき,二つの距離を A,B とする。A−B=1 と A2−B2=4rsinθ から A+B=4rsinθ を得て,r2 を θ で表す。w=1/z では偏角が反対向きになり,絶対値は逆数になることを使う。
解法2
z=x+iy とおいて軌跡を直交座標の双曲線として求める。上側の枝と漸近線から偏角範囲を読み、原点からの最短距離で逆数の絶対値範囲を決める。
解答
解法1
(問1)
z=r(cosθ1+isinθ1) とおく。また
A=∣z+i∣,B=∣z−i∣
とおくと,条件は A−B=1 である。一方
A2=r2+1+2rsinθ1,B2=r2+1−2rsinθ1
であるから
A2−B2=4rsinθ1
である。A2−B2=(A−B)(A+B) より
A+B=4rsinθ1
である。したがって sinθ1>0 である。
さらに
B=2(A+B)−(A−B)=24rsinθ1−1
であり,これを
B2=r2+1−2rsinθ1
に代入すると
r2=4(4sin2θ1−1)3
を得る。よって 4sin2θ1−1>0 であり,sinθ1>0 と合わせて
sinθ1>21
である。したがって
6π<θ1<65π
である。
(問2)
w=z1 であるから
r2=r1,θ2=2π−θ1
である。ただし偏角は 0≦θ2<2π でとる。問1より
6π<θ1<65π
であるから
67π<θ2<611π
である。また
r22=r21=34(4sin2θ2−1)
である。したがって r2 のとりうる値の範囲は
0<r2≦2
であり,r2=2 は θ2=23π のときに成り立つ。
解法2
(問1)
z=x+iy
とおく。条件は
右の平方根を移項して二乗すると
右辺は非負なので 4y−1≧0 である。さらに二乗して整理すると
−4x2+12y2=3,
すなわち
1/4y2−3/4x2=1.
元の符号条件を満たすのは上側の枝
y≧21
である。漸近線は
したがって原点から上側の枝へ向かう半直線の偏角は
6π<θ1<65π.
(問2)
w=z1
より
r2=∣z∣1,θ2=2π−θ1.
したがって
67π<θ2<611π.
双曲線 H 上で原点に最も近い点は頂点 (0,1/2) なので
∣z∣≧21.
また漸近線方向へ進むと ∣z∣→∞ である。よって
0<r2≦2.
上端 2 は z=i/2 のときにとり、下端 0 はとらない。