熊本大学 2018年度
文理共通数学 第3問(理工系)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理,医(放射線技術科,検査技術科学専攻),工,薬学部
- 分野
- 積分、数列
- 解法
- 計算整理、恒等式比較、定積分評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 15分
問題
n を 2 以上の自然数とする。区間 [0,1] を n 等分し、その両端と分点を順に
0=x0, x1, x2, …, xn−1, xn=1
とする。関数
f(x)=ax2+bx+c(a>0, b≧0, c>0)
に対し、区間 [xk−1,xk] を底辺とし、高さが f(xk) である長方形の面積を Lk とする。ただし k=1,2,…,n である。
すべての n に対して
L1+Ln=n10+n38
であるとき、次の問いに答えよ。
(問1) a,b,c を求めよ。
(問2)
n→∞limn1k=1∑nkLk
を求めよ。
(問3)
n→∞limn21k=1∑nk2Lk
を求めよ。
出典:熊本大学 2018年度 前期 文理共通 第3問
方針
解法1
xk=k/n として Lk=f(k/n)/n を書く。L1+Ln を 1/n,1/n2,1/n3 の係数で比較し,a,b,c を決める。後半は k/n を用いて区分求積の形に直して定積分で評価する。
解法2
問1は n の恒等式として係数比較する。問2・問3は区分求積を使わず、自然数のべき和公式から極限を直接計算して結果を照合する。
解答
解法1
(問1)
xk=nk であり,長方形の底辺の長さは n1 であるから
Lk=n1f(nk)
である。したがって
L1+Ln=n1{f(n1)+f(1)}
である。これを展開すると
L1+Ln=na+b+2c+n2b+n3a
である。これがすべての n について
n10+n38
に等しいので,係数を比較して
a=8,b=0,c=1
である。
(問2)
(問1)より f(x)=8x2+1 である。したがって
n1k=1∑nkLk=k=1∑nn1⋅nkf(nk)
である。区分求積法により
n→∞limn1k=1∑nkLk=∫01x(8x2+1)dx=25
である。
(問3)
同様に
n21k=1∑nk2Lk=k=1∑nn1(nk)2f(nk)
である。よって
n→∞limn21k=1∑nk2Lk=∫01x2(8x2+1)dx=58+31=1529
である。
解法2
(問1)
Lk=n1f(nk)
なので
L1+Ln=na+b+2c+n2b+n3a.
両辺に n3 を掛けると
(a+b+2c)n2+bn+a=10n2+8.
これはすべての n≧2 で成り立つから
a=8,b=0,a+b+2c=10.
よって
a=8,b=0,c=1.
(問2)
f(x)=8x2+1
より
n1k=1∑nkLk=k=1∑n(n48k3+n2k).
べき和公式
k=1∑nk=2n(n+1),k=1∑nk3={2n(n+1)}2
を用いると、極限は
8⋅41+21=25.
(問3)
同様に
n21k=1∑nk2Lk=n58k=1∑nk4+n31k=1∑nk2.
ここで
n→∞limn51k=1∑nk4=51,n→∞limn31k=1∑nk2=31.
したがって
8⋅51+31=1529.