問題
次の問いに答えよ。
(1) 自然数 に対し、 を5で割った余りは のいずれかであることを示せ。
(2) 自然数 が
を満たすならば、 はすべて5の倍数であることを示せ。
(3) を満たす自然数 の組は存在しないことを示せ。
出典:熊本大学 2020年度 前期 文理共通 第1問
方針
解法1(平方剰余から無限降下する)
平方数の5を法とする剰余を列挙する。(2) では方程式を5で見てまず 、次に が5の倍数であることを示す。(3) では同じ形のより小さい自然数解が得られることを矛盾にする。
解法2(最小解を仮定して矛盾を導く)
(1) の平方剰余表を使って(2)を証明した後、(3)では が最小の解を取る。全成分を5で割った組がさらに小さい解になるため、最小性に反する。
解答
解法1(平方剰余から無限降下する)
(1)
任意の整数 は5を法として のいずれかに合同である。したがって
のいずれかである。
(2)
与式を5を法として見ると
平方剰余 を2倍した余りは であり、両者の共通部分は0だけである。よって
と書いて元の式へ代入し、5で割ると
したがって であり、 である。ゆえに はすべて5の倍数である。
(3)
自然数解が存在すると仮定する。(2) より
と書ける。元の式へ代入して25で割れば
となる。つまり も自然数解であり、各成分は元の解の5分の1である。同じ操作を繰り返すと、正の自然数を何度でも5で割れることになり不可能である。したがって
解法2(最小解を仮定して矛盾を導く)
(1)
剰余を直接表にすると
だから、平方の余りは に限られる。
(2)
に対し、 なら右辺はそれぞれ2,3となり、平方剰余にはならない。よって で、同時に である。したがって 。
とすれば
となるので 、したがって である。
(3)
自然数解のうち が最小のものを1組取る。(2) により
と書ける。両辺を25で割ると も同じ方程式の自然数解である。しかし
となり、選び方の最小性に反する。よって自然数解は存在しない。