問題
平面において、 がともに整数である点 を格子点という。2以上の整数 に対し、
を満たす格子点 の個数を とする。次の問いに答えよ。
(1)
を示せ。
(2) 極限値 を求めよ。
(3) (2) の極限値を とする。次の不等式を示せ。
出典:熊本大学 2020年度 前期 文理共通 第4問
方針
解法1(格子点数をリーマン和ではさむ)
整数 ごとに許される正整数 の個数を評価して(1)を得る。(2) は評価を で割ってリーマン和へ移し、(3) は の狭義凹性による台形公式の向きを使う。
解法2(天井関数で正確に数え、弦の積分を足す)
各縦列の格子点数を と正確に表し、そこから(1)を導く。(3) は凹関数の定義に基づく弦の不等式を各小区間で積分し、端点補正 を直接取り出す。
解答
解法1(格子点数をリーマン和ではさむ)
(1)
()と固定する。与えられた不等式は
と同値である。正の実数 に対し、 を満たす整数 の個数を とすれば
ここで
と置き、 について足し合わせると
すなわち所要の不等式を得る。
(2)
(1) を で割る。上下の評価の差は
また
は の におけるリーマン和である。したがって
ここで は自然対数である。
(3)
だから、 は で狭義凹である。したがって各小区間でグラフは両端を結ぶ弦より上にある。
小区間ごとの台形の面積を足すと
ただし を使った。一方、(1) の上側評価から
2式を合わせて
を得る。
解法2(天井関数で正確に数え、弦の積分を足す)
(1)
と置く。 を満たす正整数の個数は
である。任意の実数 に対し
だから、 に代入して(1)を得る。
(2)
(1) の両端を で割ると、誤差は高々 で0へ収束する。よって
(3)
は狭義凹である。 とし、 に対して
この不等式を として小区間上で積分すると
について足せば
さらに(1)より はこの和より真に小さいので、所要の
が従う。